ウクライナから避難の女性「勉強して、いい看護師に」 2度目の年越し 新たな思い

祖国から遠く離れた地で2度目の新年を迎えました。ウクライナ人女性のレナさんです。終わりのみえないふるさとの戦禍。それでも彼女は目標に向かって歩み始めていました。

祖国から離れた地での2度目の新年

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2022年2月。ロシアによる侵攻が始まりました。レナさんが住む第2の都市・ハルキウは激しい砲撃にさらされていました。

2022年2月 ロシアによる侵攻がはじまる

家族のもとを離れ、隣国ポーランドへ向かいます。

レナさん
「私は日本で暮らしたいし、仕事をしたいし、日本語の勉強をしたいです」

隣国ポーランドへ

やりとりは翻訳機頼み

もともと日本のアニメや漫画が大好きだったレナさん。日本に行く支援をしてくれたのが、ポーランドに住む日本人、カスプシュイック綾香さんでした。その頃、レナさんは、全く日本語を話せませんでした。やりとりは翻訳機頼みです。

綾香さん
「日本にいつ行きたいですか？」

レナさん
「できるだけはやく」

来日後、語学学校で日本語を学びました。

動物病院で働きはじめる

そして、2023年6月から、レナさんのことを知って連絡をくれた熊本市の動物病院で働いています。

レナさん
「もう出ないみたい」

竜之介動物病院・大川総師長（以下、大川総師長）
「もう出ないみたい？じゃあオッケー。ヨシヨシしてあげて」

治療のサポートや動物の世話が主な仕事です。

「ウクライナの動物も助けたい」

慣れない一人暮らしでしたが、新たな仲間も。

レナさん
「これはタンジロウ。これはコツブです。」

ディレクター
「あの（犬の）名前が？」

レナさん
「ブシャ」

町中などで保護されたものの、引き取り先が見つからないペットたちです。

レナさん
「休みの日1人でいるのは寂しいけど、動物がいるときは気持ちが明るくなります」

故郷で動物も戦争に巻き込まれる様子を目の当りにしたレナさん。今の目標は動物看護師になることです。

レナさん
「ウクライナで人々もちろんかわいそう。でも動物ももっとかわいそうと思います。動物はたとえば爆発聞こえる時は怖がる。でも何これ、わからない。ウクライナの動物も助けたい。だから頑張ります」

イヌの帝王切開の仕事が…

この日、大仕事が飛び込んできました。

大川総師長
「レナ、5時になったら帝王切開が来ます」

イヌの出産にむけた手術です。

竜之介動物病院・徳田院長
「レナ、メス出して。新しいの」

そして、生まれてきた命。

レナさん
「無事に生まれました。オスとメスです」

飼い主
「ありがとうございます」

日本行きを支援してくれた綾香さんと再会

一方で、薬なしで眠ることができない日々が、今も続いています。

レナさん
「友達、家族のこといつも心配、いつも思い出す。悪い夢を見る、家族と戦争と…」

そんな彼女を元気づけたのは…ポーランドから来てくれた綾香さんでした。レナさんの大きな変化が感じられたといいます。

綾香さん
「自然と笑顔が出て。（初めて会った時と）全然違います。きっとレナも今自分がやりたいことができていて嬉しいと思うので、私も嬉しいです」

「いっぱい勉強して、いい看護師さんになりたい」

そして、迎えた2度目の年越し。職場の仲間に囲まれ新年を迎えました。院長と初めての初詣にも…

レナさん
「戦争が終わることをお祈りしました（今年は）いっぱい勉強して、いい看護師になりたい」