社会

2026年5月4日 17:00

避難先はそれぞれ!覚えておきたい逃げ方【気象予報士解説】新たな防災気象情報6

避難先はそれぞれ!覚えておきたい逃げ方【気象予報士解説】新たな防災気象情報6
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2026年5月下旬から新たな警報や注意報の適用が開始されます。この警報や注意報が発表されたとき、私たちはどのような行動をとればよいのでしょうか。

第2回の記事では、発表される警報・注意報の名称がレベル毎に統一され、とるべき行動が明確になったとお伝えしました。今回はレベル4までに必要となる避難について具体的に解説していきます。

■避難とは 〜とるべき行動は人それぞれ〜

避難は「災害が起きる前に安全なところへ行く」が鉄則です。レベル4までに全員が避難を完了させる必要があります。ただし、この避難の方法については個々の状況によって様々です。

気象庁や自治体から発表される情報はあくまで、私たちが行動を決める上での指針や判断材料にすぎません。避難の方法については、生活圏の災害リスクや家族構成をふまえて、自分で考え判断しなければなりません。

■避難とは 〜避難場所へ行くことだけが避難ではない〜

気象庁の発表する警報は原則として市区町村単位(自治体による避難指示はさらに細かな地区単位)で発表されるものですが、そこに住む全住民が必ずしも避難場所へ行く必要はありません。

例えば、浸水想定区域かつ想定される浸水の高さ以下の住居に暮らしている場合、レベル4の氾濫危険警報やレベル4大雨危険警報が発表された際は自宅から避難する必要があります(避難に時間のかかる方がいればレベル3氾濫警報やレベル3大雨警報の発表時)。

一方で、浸水想定区域”外”に自宅があり十分に安全と判断できる場合、または浸水想定区域内であってもマンションの上層階など浸水が及ばない十分な高さに自宅があり、氾濫による倒壊の恐れがない場合、自宅避難も選択肢の一つとなります(ただし、食料や飲料の確保が十分で、電気・ガス・水道などのライフラインに頼らず数日間生活を維持できる準備が必要です)。

また、自宅から避難する場合も自治体が指定する避難場所のほかに、近くに住む親戚や知人の家で安全が確保されていれば、そこに移動することも選択肢の一つです。有事の際に身を寄せることができる避難先を事前に検討し、確保しておくとよいでしょう。

4つの避難先
4つの避難先
自治体が指定する避難場所以外の避難先※
・自宅
 →浸水においては水が引くまで食料や飲料、薬等の確保が困難となります。また、電気・ガス・水道、トイレなどが使用できなくなる可能性にも注意が必要です。
・親戚・知人宅
 →普段から災害時に避難することを相談しておきましょう。
・ホテル・旅館
 →満室や休業している場合もあります。事前に確認しましょう。

※いずれの場所においてもハザードマップで安全かどうかを事前に確認しましょう。自宅で屋内安全確保をする場合、想定最大浸水深より高い住居でも、家屋倒壊等氾濫想定区域では建物ごと倒壊する恐れがあるため避難が必要です。また、土砂災害の危険がある区域では立ち退き避難が原則です。

■避難とは 〜事前の取り決めが命を救う〜

線状降水帯など災害の危険度が急激に高まる現象が多発している近年、判断に迷う余裕はありません。警戒レベル毎にとるべき行動を事前に決めておくことで、大規模な災害に見舞われたときの生存確率が格段に向上します。そこで、自分と家族を守るために強く推奨されるのが、マイ・タイムラインの作成です。

次回第7回は「スマホやテレビで命を守る 情報収集術」として情報の入手方法を解説します。マイ・タイムラインの作成など普段からの準備については第9回の記事で詳しくお伝えします。

テレビ朝日ウェザーセンター
気象予報士 野口 琢矢

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