【ドラフト振り返り】「力で!」「0.02mmの厚み感じた」最多7度の抽選に悲喜こもごも

[2023/10/30 08:00]

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26日、プロ野球ドラフト会議が都内で行われた。1位指名を公表する球団が大幅に減った今年、史上最多、7回もの抽選となった。
(10月29日放送「サンデーLIVE!!」より)

大学生投手に注目が集まった今回のドラフト会議。國學院大学の武内夏暉には3球団が競合する結果となった。武内の持ち味について野球解説者の古田敦也氏は、「大型の左腕。インコースにズバッと投げられるコントロールがいい。それに加えて直球だけでなく、変化球もいい。右打者の外に落ちるチェンジアップ、こういった部分を両サイドに投げられるから即戦力と言っていい」と評価した。
そんな武内を引き当てたのは西武の松井稼頭央監督だった。
武内は指名後の会見で「3球団予想してなかったのでとてもビックリしています。1年目から開幕ローテーションを目指していきたいと思う」と目標を口にした。

広島・新井監督から指名あいさつを受ける常廣

青山学院大学の常廣羽也斗は楽天、広島が1位指名。最速155キロのストレートに鋭く落ちるフォークボールが武器だ。
抽選の結果、広島が交渉権を獲得。新井監督は会場に響き渡る「よっしゃー!」の声とともに渾身のガッツポーズを見せた。
抽選後のインタビューに新井監督は「力で!力で引こうと思っていました!」と興奮気味に答えた。
常廣は大学で行われた会見で「1番自分を評価してくれた球団に入りたいという思いがあったので、とてもうれしいです。しっかり1軍の舞台で投げられる選手になれるように頑張ります」と指名の喜びを語った。

日本ハム、巨人が競合したのは中央大学の西舘勇陽、最速155キロを誇る本格派のピッチャーである。
くじに参加した日本ハム・新庄監督は封筒を胸に当てたまま中身を確認しなかった。阿部慎之助新監督がこぶしを突き上げ、巨人が交渉権獲得。がっくりとうつむく新庄監督だった。
新庄監督は囲み取材に臨むと、「何で?(封筒)厚かったのよ!ハンコの分厚みがあったのよ0.02ミリめちゃくちゃ自身あったんですけどね」と悔しさをにじませた。

3球団競合で目を潤ませる度会

野手で注目されたのはENEOS・度会隆輝。元ヤクルト・度会博文さんを父に持ち、古田氏も幼いころからよく知っている選手だ。
去年の都市対抗野球で大会MVPを含む3つのタイトルに輝き注目を集めた度会に、中日、DeNA、ロッテの3球団が競合した。抽選の結果、引き当てたのは三浦監督。DeNAが交渉権を獲得した。
3年前、指名漏れを味わった経験がある度会、その目には涙が…
「度会隆輝と呼んでもらえたときに手のひらが痺れるというか『最高でーす!』とかやりたかったんですけど本当に嬉しすぎて気づいたら涙と鼻水が出ていて。今とても幸せです」と3年前の悔しさを晴らし、晴れやかな顔でそう語った。

父・博文さんと古田氏にメッセージ

そんな度会は、ドラフト前の取材で古田氏に「指名されたらお寿司に連れて行ってもらいたい。銀座のシースー」と“おねだり”していた。そしてドラフト直後に、度会親子そろって古田氏にメッセージを寄せた。
隆輝「DeNAベイスターズさんに1位指名して頂きました。お寿司の約束をしていたので、ぜひ父親と2人で銀座のシースーをよろしくお願いします」
博文さん「古田さんご無沙汰しております。隆輝もDeNAさんに指名して頂くことが出来ましたので私もぜひ銀座のシースーに連れて行って頂ければ、よろしくお願いします」
隆輝「お願いします古田さん」

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