内田篤人が注目する日本代表選手は…右サイドバック・菅原由勢 強み・心がけとは
報道ステーション
[2023/11/16 16:33]
ワールドカップでベスト8以上を目指す日本代表の中で、覚えてもらいたい選手が、成長著しい右サイドバックの菅原由勢選手(23)です。
現役時代にサイドバックだった内田篤人さんがインタビューすると、同じポジションだからこそ分かり合えることがありました。
■なぜサイドバックに?「とりあえず…」
今年3月、カタールW杯後、初の代表戦で初めてスタメンに抜擢(ばってき)されたのが、右サイドバック・菅原選手です。
ここまで右サイドバックの1番手として、存在感を示しています。
そんな森保ジャパンの新戦力を、右サイドバックの先輩である内田さんがインタビューしました。
内田さん:「菅原選手がどんな選手か深掘りしていきます」
菅原選手:「お願いします」
内田さん:「ポジションはずっとディフェンダーですか?それ以外もありますか?」
菅原選手:「ボランチだったり、トップ下だったり、フォワードもやったりしてました」
内田さん:「なんでサイドバックになったんですか?」
菅原選手:「右と左のサイドハーフをやっていたが、シンプルに他の選手の方が良くて、『とりあえず菅原をサイドバックに置いてみるか』って感じで、多分置いたんじゃないかなと思いますけど」
内田さん:「それは内田も同じです」
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■リーグ屈指の右サイドバックに成長■リーグ屈指の右サイドバックに成長
中学から名古屋グランパスの下部組織に入団した菅原選手は、3年生の時にサイドバックにコンバートされると、17歳の時にクラブ史上最年少で開幕スタメンの座をつかみ、J1デビューを飾ります。
その翌年(2019年)には、20歳以下のW杯に、チームの中心として4試合フル出場しました。すると、その才能が認められ、18歳の若さでオランダのAZに移籍を果たします。
菅原選手は、ここまで5シーズン、公式戦通算175試合に出場しています。3カ月連続リーグ月間ベストイレブンに選出されるなど、今ではリーグ屈指の右サイドバックに成長しました。
ファン:「菅原選手は本当のトップ選手、良い買い物だったよ」「とても重要な存在だね」
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■強みは「得点に直結するプレー」■強みは「得点に直結するプレー」
内田さん:「プレーヤーとしての強みは何ですか?」
菅原選手:「サイドバックですけど攻撃参加する回数やクロス。得点に直結するプレーは僕の強みかなと思います」
その強みが生きた試合が、快勝した9月のドイツ戦でした。
伊東純也選手の先制ゴールをアシストすると、今度は右サイドを駆け上がり、中へクロス。強豪ドイツ相手に自らの武器を発揮し、2得点に絡む活躍を見せました。
そんな菅原選手は、この試合にかける思いが強かったといいます。
菅原選手:「僕自身、カタールW杯のメンバーから落選して、テレビの前でドイツに勝っているのを見て、とても悔しい思いをしていた。僕が新しい代表に入って負けたら、『カタールW杯の方が良かった』みたいな形になるなと思っていた。そういった面も含めて、すごい気合が入った試合でした」
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■攻撃時の心がけ「遠くから見る」■攻撃時の心がけ「遠くから見る」
絶対に負けられない試合で結果を残した菅原選手。攻撃を仕掛ける際、心掛けていることがあります。
菅原選手:「とりあえずフォワードを見て、フォワードを見たら手前も勝手に視野に入ってくる。一番僕は遠くから見るように意識してやってますね」
菅原選手の言う「遠くを見ること」の重要性とは、どういうことなのでしょうか?
内田さんによると、「ゴールに直結するパスが出せる時、相手にとっては非常に脅威となります。ただ、サイドバックは隣がタッチラインですので逃げ道がなくなってしまいます。相手のプレッシャーを受けつつも限られたスペースと時間の中で、菅原選手は遠くまで見ているし、見ている場所も素晴らしい」ということです。
さらに「視野が広い菅原選手は状況判断もいい。この場面では一番遠くのフォワードではなく、右サイドの伊東選手へスピードを生かした質の高いパスを選択。その伊東選手からゴールが生まれましたが、状況を見て起点となるパスもできる」と話します。
実際、攻撃の組み立ても担っている菅原選手だからこそ、際立ったデータがあります。
3月以降ここまで出場した代表戦で、シュートまでいく直前のプレーの関与数が、ディフェンダーながらチームで2位ということです。
内田さんは、「今のサイドバックは守備だけでなく、ゲームメークもできる能力が必要。菅原選手はそこが武器ですので、ボールを持った時は彼に注目してほしい」とも話します。
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■菅原から逆質問「世界トップになるためには?」■菅原から逆質問「世界トップになるためには?」
内田さん:「個人として目指すサイドバック像はありますか?」
菅原選手:「サイドバックでいこうと決めてからは内田篤人さんのプレー。僕、本当に、本当にサイドバックとして憧れの人だった」
内田さん:「いっぱいいるんだよね、そうやって言ってくる人。ずっと好きでしたとか」
菅原選手:「いやでも、僕はガチですからね。だって僕、サイドバックで一緒ですからね。他のポジションが『憧れでした』と言うのと、サイドバックでやってきて、サイドバックの人を見てきて、やっぱ違うんで。古参なんで!」
内田さん:「ありがとうございます」
菅原選手:「世界のトップになるためには何が必要だと思いますか?」
内田さん:「これからは、現代サッカーがさらにアスリート化されると思うんですよ。スピードもそうだし、跳ぶ止まる、ターン、ぶつかる、転ぶ、立ち上がる。そういうところがサッカー根本もそうだし、ボール扱いよりも大事になってくるのは、“アスリート化”なのかなっていう」
菅原選手:「一回、山かなんかに修行に行ったほうがいいですね」
(「報道ステーション」2023年11月15日放送分より)