フィギュア鍵山優真 “痛み”の先に「180度違う自分」ケガから復活…表現力も向上
[2023/11/20 11:57]
フィギュアスケートのグランプリシリーズ。全6大会中2大会に出場し、成績上位6名のみが出場できるグランプリファイナルを目指しているのが鍵山優真選手(20)です。
鍵山選手といえば、去年の北京オリンピック。日本フィギュア史上最年少18歳で銀メダリストになりました。
しかし、昨シーズンは左足首のけがに苦しみ、すべての国際大会を欠場しました。
古田敦也さん:「長い期間休養していてまだまだ若いですし、色々な感情が揺れ動くと思いますが、どうでした?」
鍵山選手:「人生で初めて大きなけがをして『本当に治るのかな』っていう気持ちはもちろんありつつも、『絶対に治してやる』っていう強い気持ちもあったので、ネガティブな感情ではなかったです」
強い気持ちでリンクに帰ってきた鍵山選手。今シーズン世界一を目指すうえで鍵となるのは「表現力」です。
鍵山選手:「(世界のトップスケーターと比べると)ジャンプが今のところ種類が少ないので、他の部分で勝っていかなければならない。“表現力”が大事な要素になってくるので、今シーズンは特に意識してやっています」
北京オリンピックでは銀メダルを獲得したものの、表現力を示す演技構成点が3位と伸び悩んでいたのです。
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■アクロバティックな動き「180度違う自分」■アクロバティックな動き「180度違う自分」
悲願の世界一へ。表現力強化のためにあるコーチをつけました。
ソチオリンピック銅メダリスト、カロリーナ・コストナーさん。豊かな表現力を武器に得意のステップでは最高評価のレベル4を連発。イタリアの元世界女王です。
実は2年前、コストナーさんにスケーティング指導を受けていた鍵山選手。今シーズンから正式なコーチとして招き、練習に取り組んできました。
古田さん:「具体的に表現力がどう違うんですか?」
鍵山選手:「体の使い方や無駄な力を消費しない滑り方を教えてもらいながらやっています」
古田さん:「表現力を自分が強化しようと思っていると、例えば普段の生活から若干変わってきたりするんですか?コップを取るときにもちょっとこう(笑)」
鍵山選手:「そこまで意識はしないんですけど(笑)」
古田さん:「歩く時も一歩目出すときはこう出すとか(笑)」
鍵山選手:「でも姿勢とかは特に気を付けています。悪くならないように癖になってしまうと治らなかったりするので」
古田さん:「表現力の強化に加えてショートプログラムの曲にこだわりがあると。今までとどういうところが違うんですか?」
鍵山選手:「結構しっとりというか柔らかい曲や動きが今まで多かったんですが、パワーを出したり、俊敏なアクロバティックな動きっていうのが今までやったことなかったので180度全然違う自分になっていると思います」
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■「痛み」ふりほどき…2シーズンぶり表彰台■「痛み」ふりほどき…2シーズンぶり表彰台
180度違う自分へ。けがからの復活に向け、コストナーさんと共に作り上げたショートプログラム。曲はImagineDragonsの「Believer」。
鍵山選手:「痛みをふりほどいてみたいな曲で、今の自分にぴったりだなと。歌詞通りに力強くなれるプログラムかなと思ってます」
「Believer」の歌詞:「痛みだ!痛みが俺を信念のある人間にしてくれたんだ。痛みさ!お前は俺を壊してまた作り上げたんだ。信念のある人間に」
「Pain(ペイン)痛み」という歌詞に合わせそれを振りほどくような動きも。
およそ1年半ぶりの国際大会では優勝。強化してきた演技構成点はトップ!合計で2位に20点以上の差をつけました。
鍵山選手:「(コストナーさんに)教えてもらったことを、これからに生かしてしっかりとまた成長できたらいいなと思います」
迎えた今月のグランプリシリーズ初戦では、ステップで最高評価のレベル4を獲得!2シーズンぶりの表彰台に上りました。初のグランプリファイナル出場へ。コストナーさんと共に磨き上げた表現力で挑みます。
鍵山選手:「グランプリシリーズでパーフェクトな演技をして、グランプリファイナル無事進出して、そこでもいい演技をしたいと思います」
(11月19日放送「サンデーLIVE!!」より)