全国高等学校バスケットボール選手権大会「SoftBank ウインターカップ2023」が23日に開幕します。今大会でも将来、日本代表入りが期待される注目選手がいます。
■実は…小学校時代からの親友
高校バスケ“冬の日本一決定戦”ウインターカップ。
頂点をかけて、ひときわ激しく火花を散らす2人がいます。開志国際の平良宗龍選手と、東山の瀬川琉久選手です。
「一番意識しているのが瀬川なので特別な存在」
「絶対倒さないと自分は満足しないという選手が平良」
開志国際のエース、平良選手は身長182センチ、何でもこなすオールラウンドプレーヤーです。
一方、東山の瀬川選手も身長184センチ、突っ込んで良し、打って良しのエースです。
よく似た部分を持つ2人のエースですが、出身地は別々ながら、実は小学校時代からの親友でもあります。
「(選抜チームなどで)一緒になればずっと一緒にいるみたいな」
「いい友としてもやっていけているのかな、と」
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■互いにエースとして火花を散らした初対戦■互いにエースとして火花を散らした初対戦
初めて敵として対戦したのは、中学3年の時でした。
平良選手が決めれば…瀬川選手も決める。互いにエースとして火花を散らしました。
「その時はチームとして2点差で勝って。僕が31得点、宗龍が30得点で1点差で上回っていたんですけど。プレーの内容で言ったら全然僕が負けていた」
「自分も瀬川にやられたという感じの方が強くて悔しかった」
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■高校では対照的な道 瀬川「自分の弱さが…」■高校では対照的な道 瀬川「自分の弱さが…」
親友だからこそ、なおさら意識し合う関係。しかし高校進学後は対照的な道を歩みます。
1年生だった去年、平良選手はインターハイ準優勝。ウインターカップでも主力として活躍し、日本一。
一方の瀬川選手はインターハイ、ウインターカップともに全国の舞台には立てませんでした。
「本当に悔しくて、画面越しでずっと見てて、感情も何もないまま『悔しいな』みたいな」
そんな2人が高校進学後、ようやく全国の舞台で相まみえたのが、11月のU18日清食品トップリーグです。
試合は東山ペース。瀬川選手は3Pなどでチームを引っ張り、第3クォーター半ばで東山が16点をリードします。
しかし、ここで平良選手が動きました。東山の中心である瀬川選手にボールを持たせないよう、徹底した密着マークを始めたのです。
「まずは(瀬川選手に)ボールを持たせない、ボールを持たせたら本当に何でもやってくる」
対する瀬川選手は、そんな平良選手の徹底マークでリズムを乱したのか、勝負に行かず、迷いが見え始めます。
「自分が打つより(周りが)空いているんじゃないかって思ってしまう」
流れを失った東山。逆転を許し、残り33秒、3点のビハインド。
東山のタイムアウト、瀬川選手がヘッドコーチから託された言葉は「お前に任せる」。選んだプレーはパス。ボールを奪われた瀬川選手は、つかみかけていた勝利を手放す結果となりました。
「自分の弱さが出た。そこに尽きると思います。シュートファーストではなくてパスファーストになってしまっていた。逃げてしまってターンオーバーして、相手に勝ちを譲ってしまった」
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■迷う瀬川に…大澤HC「打たなきゃ」■迷う瀬川に…大澤HC「打たなきゃ」
逃げてしまった後悔…開志国際に敗れてから4日後の練習。瀬川選手は、まだ迷いの中にいました。
精彩を欠く瀬川選手に、大澤徹也ヘッドコーチは次のように声をかけました。
「全部パスをしようとしている、パス、パス、パス。分かる?だからディフェンスは簡単じゃん、こいつ攻め気ないなって。打たなきゃ。何を迷っているのか知らないけど」
「非常にいい経験をウインターカップ前にさせてもらった、瀬川にとっては。あれでうまくいっていたら、もっと弱い選手になっていたと思う」
「点を取らないといけないという役割があるんですけど、チームを勝たせられないというのは(エースとして)いても意味がないと思っているので」
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■ウインターカップ準決勝でリベンジあるか?!■ウインターカップ準決勝でリベンジあるか?!
自分が決める…瀬川選手は翌週、強豪の福岡第一を相手に全国屈指の鉄壁ディフェンスをものともせず、自ら持ち込んでシュート!そこにはもう、迷いはありませんでした。
「吹っ切れたと思うので、ウインターカップで、これをもっとグレードアップさせて頑張っていきたい」
ウインターカップでは、勝ち上がれば準決勝でリベンジの機会が訪れます。
「何が何でも勝ちます」
「しっかりやっつけて、優勝して僕が上に行きます」
(「報道ステーション」2023年12月21日放送分より)