【独占】佐々木麟太郎 米名門大へ決断秘話 中学時代の師・大谷翔平の父も証言

モーニングショー

[2024/03/06 21:00]

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 スタンフォード大学への進学を決めた花巻東高校の佐々木麟太郎選手(18)に、羽鳥慎一が話を聞きました。

 4日にスタンフォード大学のOBが主催する壮行会が都内で開かれましたが、卒業式の前日の先月29日に花巻東高校に行ってきました。

 もう一人、麟太郎選手が中学時代に入っていた野球チームの監督、大谷翔平選手の父・大谷徹さんにも会え、話を聞くことができました。

■先輩・菊池選手&大谷選手 助言の中身は?

 高校歴代最多となる通算140本塁打を記録した、花巻東高校の佐々木麟太郎選手。先週行われた卒業式の前日、羽鳥さんに高校野球への想い、アメリカ進学の理由を語りました。

羽鳥
「アメリカはいつ行かれるんですか?」
麟太郎選手
「3月中には行きたいと思っていますし。自分としては早く行きたいと思っているので」
MLBで活躍する菊池雄星選手、大谷翔平選手らの卒業生の垂れ幕も
羽鳥
「菊池雄星選手と大谷翔平選手の垂れ幕がありますが、2人の存在は麟太郎さんにとって?」
麟太郎選手
「雄星さんと翔平さんには、自分本当に小さいころからお世話になっておりまして。雄星さんなんかは小さいころ、自分体が大きかったので、お下がりを頂いて、靴とか。翔平さんからも道具を少し頂いたりもしていましたし。今でも追い掛けている存在です」
羽鳥
「今回、進学にあたって2人からはアドバイスなどはあったんですか?」
麟太郎選手
「アメリカの考え方、思考であったりとか、文化も含めて。あと気候とか。アメリカの野球と日本の野球の違いだったりとか、そういう部分についてはアドバイスは頂きました」
思い入れ深い野球部のグランドでのキャッチボール

 野球部のグラウンドにやって来ました。

麟太郎選手
「すごい試合数も積みましたし、練習も相当したので。すごい思い入れは深いですね」

■卒業前日…18歳の素顔 父が監督で葛藤も

高校通算140本塁打。豪快な素振りを披露

 高校通算140本塁打。3年の甲子園では、花巻東をベスト8に導いた麟太郎選手。花巻東のエースとして活躍した菊池雄星選手や大谷翔平選手の試合を実際に観戦し、その姿に憧れ、花巻東高校に入学しました。

進学先の野球部の監督が実の父で葛藤も

 しかし、花巻東を率いる佐々木洋監督が、実の父という関係に葛藤もあったといいます。

羽鳥
「お父さんが監督というのは、嫌だなという要因にはならなかった?」
麟太郎選手
「もちろん、やりづらさはあると思っていましたし。ただ、ここでやる価値を大事にしていかないといけないと思った」

■大谷選手の父が証言 類まれな才能とは…

大谷翔平選手の父・大谷徹さん

 花巻東への進路を考えた時に背中を押してくれたのが、麟太郎選手が中学時代に所属した「金ケ崎リトルシニア」の監督であり、大谷翔平選手の父・大谷徹さんです。

羽鳥
「花巻東に進むわけじゃないですか。監督はお父さんじゃないですか。そこは大谷さんとしては薦めたのか?それともちょっと待ってと言ったのか?」
“うちの麟太郎”をなんとか…
大谷さん
「麟太郎の方は花巻東しか考えていないという言い方をしたので。監督さんとかお父さんのことを考えた時に、やっぱりやりにくい部分は多々あるだろうと。親子鷹(だか)としてもですね。(佐々木監督に)翔平のことも見てもらって、人間的にも立派にしてもらえましたし。野球だけではなくて、人間的にも立派に成長してくれるなと思ってましたので。(佐々木)監督の所に行って、“うちの麟太郎”をなんとか見てもらえないですか?と。(花巻東の野球部に)入れて頂けないですか?とお願いした」
羽鳥
「おかしくないですか?話が。大谷さんが“うちの麟太郎”を何とか見てもらえませんかと、佐々木監督に言ってる」
中学校3年生で社会人クラスのバッティング
大谷さん
「バッティングに関していうと、社会人クラス。(中学)3年生の時はね。力はあったので、将来は楽しみだなと思っていました。力的なバットの芯でとらえた時の打球速度と飛距離というのは、才能の一つになるのではないのかなと」

 当時の麟太郎選手のすごさが分かる映像があります。

 中学2年生の時には、ホームランを打ち、球場近くの建物のガラスを割ってしまったこともありました。

文武両道で成功してもらいたい

 大谷さんも、教え子の野球と勉学への両立に期待を寄せます。

大谷さん
「先駆者じゃないですけど、こういうスタイルで2つ、文武両道でいって、成功してもらえればといいんですけど。僕は野球のことしか分からないので。プロ野球でドラフトかかるかとか、メジャーリーグでドラフトかかるかとか、1ランク上のステップアップした形。そこも目指してほしいというのは、実は正直あります」

■通算140本塁打のパワー体感 カメラが…

 麟太郎選手は花巻東高校に入学後、1年からレギュラー入りし、全国に名を轟かせる世代屈指のスラッガーに成長しました。

一日何球打った?

 室内練習場を訪れました。

麟太郎選手
「(Q.ここではどういう練習をするんですか?)基本的には打つことがメインになります。一日何球打ったか分からないくらい、バッドを振り込んでいたので」
「(Q.何時間くらい最長で?)何時間というより、1000球くらい一日打っていたと思います」
ティーバッティングでまさか…

 ティーバッティングも打ってもらいましたが、あまりの力強いスイングに胸に付けていた小型カメラが飛ぶアクシデントもありました。

■ウェートで強さ 支える日本記録保持者

「1人の妥協はチームの敗北」

 ウェートルームにやって来ました。「1人の妥協はチームの敗北」という紙が貼られています。

麟太郎選手
「ラックとかベンチ台とかあるので」
「(Q.ウェートは何キロくらいやるんですか?)きょうは160キロ」
冨田文子さんの指導の下でウェートトレーニングに励んだ

 高校屈指の打球速度と飛距離を生むために行ってきたのが、ウェートトレーニング。ウェートリフティングの日本記録を塗り替えてきた冨田史子さんの指導の下、筋力を高めるトレーニングに励んできました。

冨田史子さん
冨田さん
「(Q.麟太郎選手のトレーニングの特徴は?)自分のやりたいフォームとか、求めていることをしっかり理解しているので。後ろを使う筋力を高めていくというところがあって、そこをしっかり強化できたのも、自分の技術とパワーが組み合わさって、よりああいう飛距離というか、ホームランにつながっていったのかなと思います」
ウェートトレーニングで筋肉量を上げることが、バッティングのスタイルにすごくマッチしている
麟太郎選手
「筋肉量を上げていくこととスピードを上げていく。そのなかで、爆発をつくるっていうのが、今のチームのバッティングのスタイルとかすごいマッチしてて」

■肉体をケアする…名トレーナーの存在も

昆太一さんは花巻東のOBでもある

 日々のケアをサポートしてくれたのは花巻東の卒業生で、高校の専属トレーナー昆太一さんです。

昆さん
「(Q.麟太郎選手とのコミュニケーションは?)麟太郎も積極的に色んなことを聞いてくれたりしてたので。『自分はこう思ったんですけど、こういうのはどうですか?』とか、さらに案まで提案してくれるので麟太郎が。自分としては話しやすかったですし、もっとどうやったら麟太郎が良くなるかなと、すごい考えました」
チーム専属トレーナーとしてチーム全員の体を管理している
麟太郎選手
「全員の体を管理をしてくれている、本当にすごい方だなと思っています」

■けがをサポート 監督の同級生・整骨院長

 最強スラッガーとして注目を集めるなか、麟太郎選手の高校3年間は、けがとの闘いでもありました。

けがとの闘いも
麟太郎選手
「(Q.ケアについては?)けがしたら試合も出られなくなる期間が長くなるところを、すごく短く抑えて下さったのは、最終的に小菅先生の力があったからかなと。感謝してます」
小菅智美さん(左)。佐々木麟太郎選手が幼いころから見守っている頼もしい存在

 麟太郎選手のけがのサポートに力を注いでくれたのは、寮の近くに整骨院を構える小菅智美さん。佐々木監督の同級生で、麟太郎選手を幼いころから見守ってくれた頼もしい存在です。

「大きな存在になれる」と小菅さんも期待を寄せる
小菅さん
「麟太郎くんもきちんと自分の言葉でしゃべってくれるので。何だか分からないところに対して、私が処置するのではなくて、『今こういう状況でこうなっているからこうなんです』と明確にしゃべってくれるので。私もやりやすかったんですよね。そこが普通の選手と違うところじゃないかなと。苦しい道を渡っていって、最後頑張れば、きっと大きな存在になれると思いますし。みんなに勇気を与えてくれる存在になってくれるんじゃないかと思っていますので。期待しております」

■18歳の素顔とルーツ 得意・苦手科目は…

3年G組、全員野球部

 学校の玄関を通って、教室に向かいます。3年G組、全員が野球部です。

麟太郎選手
「野球部まみれの男臭が強いですけど」
羽鳥
「机は小さくないですか?」
机は小さい?
麟太郎選手
「小さくは…苦しい感じもありますけど」
羽鳥
「勉強はどうでしたか?一番得意だった科目は?」
麟太郎選手
「得意…でもやっぱり社会系全般。そういうのは得意だったのかなという感じです」
羽鳥
「ちょっと苦手かなというのは?」
苦手な科目は?
麟太郎選手
「苦手ですか?それこそ最初は英語も好きではなかったですし。苦手っちゃ苦手だったと思います」
羽鳥
「それがどんどん能力が上がっきて」
麟太郎選手
「ここまできたらやるしかないので。好き嫌いではなくて、自分の人生のためにということでやっています」

■「花巻東フィロソフィー」人間力育成の秘密

スタンフォード大学へ進学

 日本野球界での活躍も期待されるなか、麟太郎選手が選択したのは、世界屈指の名門校・スタンフォード大学への進学でした。

羽鳥
「なぜアメリカの進学を選択?」
麟太郎選手
「人生で自分自身の戦略は大事だと思ってまして、野球人生だけではないというのが第一ですし。一瞬の喜びではなくて、一生の喜びということで。そういう人生観を持っていて。その中で野球と勉強を両方できるという、自分の中で最善の選択をした中で、アメリカの大学が自分が進むべき道だと思って選びました」
野球部が独自に導入している日誌「花巻東フィロソフィー」

 将来を見据え、18歳でアメリカへ渡る決断をした背景には、花巻東の野球部が独自で導入している日誌「花巻東フィロソフィー」の教えがありました。

麟太郎選手
「こういうこと(『甲子園での逆襲』)を書いたりしていて。1ページが毎日。この日は7月7日。きのうの反省、きょうの目標、やること、きょう絶対やらないこと、練習の課題、ライバル」

 ライバルの欄には「大谷翔平選手」の名前がありました。野球の目標だけでなく、1年ごとの人生の目標を書くページには「高卒MLB」や、18歳の欄には「甲子園出場、ドラフト1位、5球団」という文字があります。

麟太郎選手
「最初、プロの球団とかメジャーの球団でと野球人生を書いていて。野球を終わった後、何をしていくか詳しく書いています」
羽鳥
「麟太郎さん的には、どこで野球が終わることになっているんですか?」
麟太郎選手
「40歳でと。一応40まで頑張れればいいなと思って」
【佐々木麟太郎選手の将来の目標】
・18歳(2023年) 甲子園出場、ドラフト1位、5球団
・23歳(2028年) メジャー移籍
・24歳(2029年) マライア・キャリーに会う
・26歳(2031年) ワールドシリーズ優勝
・30歳(2035年) WBC世界一、MVP3回目
・40歳(2045年) 本塁打王、現役引退表明
・53歳(2058年) 会社設立
・68歳(2073年) アメリカで人材育成プログラム開始

■まだどこにも話していない…米大進学の理由

羽鳥
「日本のプロ野球に行こうとは思わなかったんですか?」
まだ勉強しなければならい立場だと思った
麟太郎選手
「(高校)入学当時は、日本のドラフトにかかって、プロ野球で。その後、メジャーに上がれれば一番いいなと考えてましたけど。自分の今の野球選手としての未熟さもそうですし。野球人生が終わった後のプラン・ビジョンとかを生み出しているうちに、もちろん野球もこれから極めていきたいですし。ただ、勉強の部分で自分はまだまだ勉強しなければいけない立場だということを思って、最後決めたつもりです」
羽鳥
「不安があるとしたら何ですか?アメリカの生活で」
麟太郎選手
「不安は考えていないです。失敗して学ぶことが大事だと思っているので、とにかくチャレンジして」
羽鳥
「最後の質問を…」
麟太郎選手
「すみません。ちょっと1個だけいいですか?少しお話したいことがあって、実はまだどこにも話していないことなんですけど」
羽鳥
「結婚するんですか?」
まだどこにも話していないことは…
麟太郎選手
「違います!自分まだ18歳なので。孫正義さん、すごいその方に感銘を受けて、アメリカの大学を選んだというのが理由に一つあって」
目指す人物の写真を貼るページ

 麟太郎選手が特別に見せてくれたのは、目指す人物の写真を貼るページです。

バリーボンズなどの写真

 右にはメジャー屈指の左の強打者・バリーボンズなどの写真が並びます。

真ん中には孫正義氏の写真

 左にはアップルの創業者、スティーブ・ジョブズや稲盛和夫氏などの名だたる経営者の写真が貼られ、真ん中には孫正義氏の写真が貼ってあります。

麟太郎選手
「孫正義さんって高校を中退なさって、アメリカの大学進学して、今の地位まで築いた努力の精神というのは、自分に感銘を受けて。そういう足跡をたどりたいなという気持ちになって、一つアメリカの大学を選んだ。自分のキッカケを作ってくれた」

 今月1日、麟太郎選手は花巻東高校を卒業。ビザなどが下り次第渡米する予定で、スタンフォード大学へは9月に入学します。

羽鳥
「最後の質問です。10年後、どんな自分になっていたいでしょうか?」
10年後の自分は?
麟太郎選手
「野球人生としてはもちろん、MLBかNPBのドラフトにひっかかるレベルになって。自分の野球選手のゴールである、MLBでホームランバッターになる。自分の人生支えられてここまできたので、これからの将来を歩む人たちにサポートできたらいいかなと。自分が他人の人生を切り開けるような人間になりたいなと思っているので。野球選手と野球選手以外の部分でというところで、そういう人間を目指してやっている10年後を想像して、今は頑張っているので。そうなってくれていれば、うれしいなと思っています」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年3月5日放送分より)

  • 真ん中には孫正義氏の写真
  • 花巻東高校の卒業式
  • 菊池雄星選手、大谷翔平選手らの垂れ幕
  • 野球部のグラウンドではキャッチボールも
  • 豪快な素振りも披露
  • 父が監督で葛藤も
  • 大谷翔平選手の父・大谷徹さん
  • “うちの麟太郎”をなんとか…
  • 中学校3年生で社会人クラス
  • 文武両道でいって…
  • 一日何球打った?
  • ティーバッティングでまさか…
  • 「1人の妥協はチームの敗北」
  • 取り組んできたウェートトレーニング
  • 冨田史子さん
  • 麟太郎選手「すごいマッチ」
  • 昆太一さん
  • 麟太郎選手「本当にすごい方」
  • けがとの闘いも
  • 小菅智美さん(左)
  • 小菅さんも「期待」
  • 3年G組、全員野球部
  • 机は小さい?
  • 苦手な科目は?
  • スタンフォード大学へ進学
  • 「花巻東フィロソフィー」
  • 日本のプロ野球には?
  • まだどこにも話していないことは…
  • 目指す人物の写真を貼るページ
  • バリーボンズなどの写真
  • 10年後の自分は?

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