「マッスルプッシュ」で加速のスピードスター…車いすラグビー日本代表・橋本勝也選手

報道ステーション

[2024/03/14 18:20]

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 パリオリンピック・パラリンピックに向けて、注目選手を応援する「エールdeパリ」。13日は、車いすラグビー日本代表・橋本勝也選手(21)です。3大会連続メダル獲得へチームに欠かせない橋本選手。ある覚悟を持って、パリへ挑みます。

■5年半スタメン出場なし…痛感した「自分自身への甘さ」

 橋本選手は日本代表で最年少の21歳。橋本選手がコートに入ると、相手を抜いて、また抜いて、勢いそのままにトライを決めます。

 武器のスピードで、何度も日本に得点をもたらしてきました。

 そんな日本のスピードスターのエールポイントは「マッスルプッシュ」です。

 「プッシュ」とは、車いすを漕ぐ動作のこと。橋本選手の力強いプッシュが、スピードに深く関係しているんです。

橋本選手
「全身の動きをいかに車いすにうまく伝えられるかが、スピードを上げるにあたって求められるもの。パワーがないと、ひと漕ぎで進める距離が変わってくる」

 マッスルプッシュを支えているパワー。それを手にした背景には、大きな覚悟がありました。

 橋本選手が初めて代表入りしたのは、16歳の時。しかし、なかなか出場機会に恵まれず、5年半の間、スタメンでの出場はゼロでした。(※若手選手主体で臨んだ大会を除く)

橋本選手
「試合に出られない悔しさはすごくあった。どうしたら活躍できるのか、試合に出られるのか。このままじゃだめだな。今まで自分自身に対してすごく甘かった」

 痛感したのは「自分自身への甘さ」。自分を変える覚悟を決めた橋本選手は2年前、公務員の仕事を辞めました。(※現在はアスリート雇用で一般企業に所属)

■スピードにも変化「世界トップレベル選手とも対等に」

 すべてはラグビーのため。ひたすらトレーニング漬けの毎日を積み重ねます。上半身の肉体改造も積極的に行ってきました。

橋本選手
「練習量も2〜3倍に増えた。気づいたら体が大きくなっていた」

 すると、スピードにも大きな変化があったといいます。

橋本選手
「ひと漕ぎ、ひと漕ぎに対してのパワーが上がっている。スピードも世界のトップレベルの選手に対して、対等に戦えるレベルになってきた」

 1月に行われたジャパンパラ車いすラグビー競技大会。橋本選手は初めてスタメンに選ばれます。

 ボールを持つと、マッスルプッシュで加速。さらに、マッスルプッシュで一気に3人を抜き去りました。

 初戦から両チーム最多得点の活躍で、日本を負けなしでの優勝に導きました。

橋本選手
「東京パラリンピックが終わってから、ずっと目標にしていたパリパラリンピックで金メダルを獲得する。そこに向かって、必死に取り組んでいきたいと思います」

 橋本選手にエールを!パリへはばたけ!

 30代から40代の選手が多いなかで、橋本選手は「若さでチームに勢いをもたらしたい」とも話していました。

 マッスルプッシュ、ぜひ覚えてください!

 そして、パリパラリンピックは8月28日に開会式が行われ、12日間の日程で開催されます。

(「報道ステーション」2024年3月13日放送分より)

  • 橋本勝也選手(2024 ジャパンパラ車いすラグビー競技大会 決勝)
  • 橋本勝也選手(2024 ジャパンパラ車いすラグビー競技大会 予選) SportsPressJP/アフロ

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