デコトラ、マグロ解体、8tトラック…キッチンカー戦国時代に超個性派 実現まで苦労も

スーパーJチャンネル

[2024/06/15 17:00]

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往年のファンにはたまらないギンギラギンのトラック、通称「デコトラ」です。どんなイカつい“トラック野郎”が乗っているのかと思ったら…意外に癒やし系でした。

植木康博さん(51)
「(Q.これは何の車?)何の車?キッチンカーです」

いまや、キッチンカーは戦国時代に突入。超個性派が出陣しています。

■何が買える?デコトラキッチンカー

千葉県館山市にある道の駅「グリーンファーム館山」。デコトラキッチンカーは、週4回ここに現れます。

デコトラキッチンカー

店主の植木康博さんです。デコトラキッチンカーは、なんとも目を引きます。

店主の植木康博さん
植木さん
「一部、既製品もありますけど、9割特注品」

運転席の上につけられた12個のスイッチ。ONにすると、電飾が点灯します。

植木さん
「実家が電気屋なので、ちょっとした配線ぐらいなら」
装飾・改造前のトラック

トラックは中古で、およそ200万円で購入。装飾・改造には600万円ほどかかったといいます。

妻の千鶴さんは、夫の暴走をどう思っているのでしょうか?

妻・千鶴さん
「(Q.そこにお金使うの?はない)最初は思いましたけど。まあ、イキイキしているので」

“デコトラキッチンカー”は、乗り物好きを引き寄せます。

ツーリング中の客
「昔、はやったよな」
「昔、こういうトラックはやったな」
「デコトラ?」
「目立つよね」
「キッチンカーでデコトラは珍しい」
“デコトラキッチンカー”の人気メニュー

そんなド派手な“デコトラキッチンカー”の人気メニューは…?

デコトラとのギャップが激しい、スイートな「バナナジュース」です。

植木さん
「はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

多い日は、40杯も出る人気商品です。


「おいしい?冷たいね。おいしいそうです」
地元・館山市で93年続くバナナ専門店から仕入れ

実は、使われているバナナは、ただのバナナじゃないのです。


「どこ行っても売り切れ。バナナ専門店のバナナ」

バナナを仕入れているのは、地元・館山市で93年続くバナナ専門店です。

海外から、厳選したバナナを青い状態のまま輸入。それを温度や湿度を細かく調整、時間をかけ熟成させています。

砂糖は使っていない

その甘さは、半端じゃありません。材料は「バナナ」と「牛乳」のみ。砂糖は使っていません。

植木さん
「(バナナジュース)やり始めて、一気に売れるようになった」

鮮度が命、賞味期限はわずか20分だといいます。


「バナナそのままを食べているみたいです。濃厚です。おいしい」
デコトラでキッチンカーを始めた理由

それにしても、なぜデコトラでキッチンカーを始めたのでしょうか?

植木さん
「館山市の人口が、すごく少ない。このままでは将来、固定店舗だけではやっていけなくなるので、キッチンカーを作りました」

館山市で居酒屋を経営している植木さん。未来を見据えて活躍の場を広げようと、キッチンカーを始めたのです。

ド派手なキッチンカーにしようと思い立ったワケ

とはいえ、キッチンカーは飽和状態。差別化しなければ生き残れません。

植木さん
「キッチンカーの外が暗かったりとか、中が暗かったりすると、お客さんが来ないんじゃないか」

そこで、ド派手なキッチンカーにしようと思い立ったというワケ。今や地元の名物です。

■前代未聞…“マグロ解体”キッチンカー

皆が、こぞって撮影するキッチンカー

みなさんが、こぞってスマートフォンで撮影しているのもキッチンカーです。一体、何がそんなに珍しいのかと思ったら…なんと、目の前に大きなマグロがありました。

キッチンカーで、マグロの解体ショー

そう、マグロの解体ショーが楽しめる超個性派キッチンカーなのです。


「マグロ解体ショーあるんや、観たいなと」
「子どもに観せられるので、良かった」
「楽しかった。おいしいし」
店名の由来

関西に出没するキッチンカー「at鮪」。店主の西本知生さん(41)です。

西本さん
「これで“アッと”驚かせる、(店名に)“アット”を付けた」
本マグロをぜいたくに使った「マグロ丼」

2年前、あっと驚くマグロの解体ショーを武器に登場したキッチンカー。人気メニューは、本マグロをぜいたくに使った「マグロ丼」です。

様々な部位を使ったどんぶりが楽しめるのは、解体ショーを売りにするキッチンカーならではです。

客の男性が口にしたのは「マグロの頭肉」です。


「脂の乗りがスゴイ」

こちらは、マグロをお嬢ちゃんがパクリ。実は、キッチンカーでこんな配慮をしてくれたそうです。


「生モノはあげられないので、(店員に)聞いてみたら、あぶってくれるというので、それなら食べられるかなって」

キッチンカーでマグロの解体ショーを実現するのは、ひとかたならぬ苦労があったといいます。

卸売業者
「マグロ30キロ。1本用意させていただいています」

この日は、本マグロまるごと一匹をおよそ20万円で購入しました。

卸売業者もびっくり

店主の西本さんは、元々回転寿司店の店長でした。

卸売業者
「最初はビックリしました。僕が知る限り、どこもやってなかった。そういう目線もあるんやって思った」
許可を出す「保健所」もびっくり

ビックリしたのは、許可を出す「保健所」も一緒でした。

西本さん
「前代未聞で、今まで事例がないと。会議に1週間くらいかけられた」
衛生面には、細心の注意

なんとか保健所のOKを取り付けた西本さん。衛生面には、細心の注意を払っているといいます。

西本さん
「まな板は、しょっちゅう洗っています。基本、使ったらすぐ洗う」
「(Q.結構、水使うんですね?)他のキッチンカーの倍以上は、使っていると思います」

ここまで苦労しても、キッチンカーで前代未聞のマグロの解体ショーを実現させたかったワケとは。

西本さん
「回転寿司で解体ショーやった時、お客さんが驚き、喜んでもらえた。解体ショーって施設行かなアカン、店行かなアカンとか、気軽に観て喜んでもらえる」

■キッチンカーが“巨大すぎる”ワケ

およそ70の飲食店が立ち並び、様々なグルメが楽しめる

食をテーマにした巨大リゾート施設「ヴィソン」。およそ70の飲食店が立ち並び、様々なグルメが楽しめます。

巨大すぎると、話題のキッチンカー

ここにも、超個性的なキッチンカーがあります。巨大すぎると、話題になっています。

長さ11メートル、幅2.4メートル。高さ3.75メートル。アメリカ製の8トントラックを改造したキッチンカーです。


「スゴイですよね。めっちゃ気を使って走らなダメですね」

隣のキッチンカーと比べてみると、ご覧の通り。気になるのは、お金です。

店主の長門智基さん

店主の長門智基さん(31)です。

長門さん
「機材費とかも含めると、ホントに家一軒は建ちます」

すると突然、長門さんが丸い筒を持ってキッチンカーの上へ。なるほど、煙突ですね。まさに、家のようです。


「これは初めて見る光景ですね」
特注品のピザ窯

実は、煙突の下には本格的なピザ窯があるのです。特注品で、およそ300万円もかかったそう。

長門さん
「これは4〜5枚、1回で焼けます。1枚だと、どうしてもお客様を待たせちゃう」
本格ピザ

本場イタリア同様、500度の熱で一気に焼き上げます。


「チーズすごいね」

焼き立てアツアツがたまりません。


「おいしい」
「うまいね」
およそ300万円のエスプレッソマシン

さらに、こんなものもあります。

長門さん
「このサイズのエスプレッソマシンを乗せているのは、なかなかない」

その価格、およそ300万円。巨大キッチンカーだからこそ導入できました。

本格的なコーヒーも魅力です。お店が、そのまま移動してきたようなクオリティーを楽しめます。

床に開いた“穴”の目的は?

突然ですが、ここで問題。この床に開いた穴。一体、何だと思いますか?正解は…?

長門さん
「お客さんと目線あわせるのに。床を切り抜いて、オーダーメイドで」
“穴”は接客をするためのもの

そう、こうして店員さんが入って、接客をするための穴だったのです。巨大キッチンカーならではの工夫ですね。

存在感たっぷりの大きな車体は、注目の的です。


「珍しいじゃないですか、こういう大きい車って。こういうキッチンカーは初めて」
「なんか知らんけど、妙に楽しくなる」

それにしても、なぜこんな巨大なキッチンカーにしたのでしょうか?

巨大キッチンカーの理由
長門さん
「(通常のキッチンカーでは)自分の身長が車内で入らなくて。もっと大きいのって、トラックとか調べたら、コレになりました」

長門さんの身長は187センチ。長身の店主にあわせ、巨大になったとは驚きです。

大きさが強みに

でも結果的に、この大きさこそが強みになりました。

長門さん
「想像してた以上に、車両に反応していただける。インパクトが売り上げに結びついている」
  • 道の駅「グリーンファーム館山」
  • デコトラキッチンカー
  • 店主の植木康博さん
  • 装飾・改造前のトラック
  • “デコトラキッチンカー”の人気メニュー
  • 地元・館山市で93年続くバナナ専門店から仕入れ
  • 砂糖は使っていない
  • デコトラでキッチンカーを始めた理由
  • ド派手なキッチンカーにしようと思い立ったワケ
  • 皆が、こぞって撮影するキッチンカー
  • キッチンカーで、マグロの解体ショー
  • 店名の由来
  • 本マグロをぜいたくに使った「マグロ丼」
  • 卸売業者もびっくり
  • 許可を出す「保健所」もびっくり
  • 衛生面には、細心の注意
  • およそ70の飲食店が立ち並び、様々なグルメが楽しめる
  • 巨大すぎると話題のキッチンカー
  • 店主の長門智基さん
  • 特注品のピザ窯
  • 本格ピザ
  • およそ300万円のエスプレッソマシン
  • 床に開いた“穴”の目的は?
  • “穴”は接客をするためのもの
  • 巨大キッチンカーの理由
  • 大きさが強みに

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