大谷翔平が駆け抜けた2023年 侍メジャーリーガーたちの活躍と共に振り返り
[2023/12/24 13:39]
大谷翔平選手(29)に、また新たな勲章が加わりました。各リーグの最も優れたバッターに贈られるハンク・アーロン賞。アジア勢として初の受賞となりました。
さらに、日本のベストナインにあたるオールMLBチーム(ファーストチーム)に指名打者と先発投手の2部門で選ばれ、メジャーでは初となるW受賞となりました。
これで受賞ラッシュが続いた今シーズンの主な表彰は終了、合わせて“12冠”でフィニッシュしました。
大谷選手が駆け抜けた2023年、侍メジャーリーガーたちの対決とともに振り返ります。
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■開幕2戦目 藤浪晋太郎と対決■開幕2戦目 藤浪晋太郎と対決
3月31日、シーズン開幕戦では2年連続の二刀流で先発出場すると、6回を2安打無失点、10奪三振と素晴らしいピッチングでした。
開幕2戦目ではメジャー1年目、アスレチックス(当時)の藤浪晋太郎投手(29)と対決しました。
シーズン前、古田敦也さんとの対談で藤浪投手はこう話しました。
「どんなバッターと対戦したいとか」
「やっぱりでも日本人の大谷」
「戦ってみたいですか」
「世界的なスーパースター大谷。対戦できるのすごく楽しみです」
高校時代からしのぎを削ってきた2人。
第1打席は、藤浪投手のスプリットに手を出し、ファーストゴロに…。迎えた第2打席、2球続けて159キロのストレート、2球目を弾き返すと、打球はフェンス直撃。あとわずかでスタンドインかという強烈な当たりでした。メジャー初対決は2打数1安打という結果になりました。
「(Q.ストレートを2球続けた意図は?)ファウルを取れればいいなと思った」
「(Q.思ったより差し込めなかった?)そうですね」
一方、藤浪投手は3回途中、5安打8失点で黒星スタート。
「悔しいデビュー戦だったので、しっかり反省して次に生かせるように」
■藤浪は7月にオリオールズへ電撃移籍
その後、藤浪投手はシーズン中の7月、ア・リーグ東地区の首位を走っていたオリオールズに電撃移籍しました。
中継ぎとしてチームの地区優勝、プレーオフ進出に貢献し、大谷選手よりも先に歓喜のシャンパンファイトも味わいました。
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■先輩、後輩対決に…侍ジャパン対決も!■先輩、後輩対決に…侍ジャパン対決も!
4月10日には花巻東高校の先輩、後輩対決です。
スライダーを捉えると、打球は左中間へのびて第3号ホームランで初カブトに思わずニコニコ!
一方、ブルージェイズの菊池雄星投手(32)はメジャー5年目で、自身初の2桁勝利と防御率3点台を同時に達成。充実のシーズンを送りました。
さらに4月18日、WBCで世界一となった侍ジャパン対決が早くも実現しました。
ピッチャー・大谷選手対メジャー1年目、レッドソックスの吉田正尚選手(30)。鋭く曲がるスイーパーで追い込むと、最後は158キロのストレートで空振り三振でした。
「スイーパー2球で高めのストレートに抑えられてしまった。やっぱり速いですし、曲がりも大きかったですし、あとはマウンドの立ち居振る舞いというか、雰囲気ありますよね」
「(今度)対戦するとしたら、どういった心境で臨みますか?」
「打ち返せるように早いカウントから勝負しないとね。いい球ばかりなので」
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■自身のベストプレーは? 吉田「メジャー第1号」■自身のベストプレーは? 吉田「メジャー第1号」
そんな吉田選手に今シーズンのベストプレーを挙げてもらいました。
「やっぱり1本目のホームラン」
記念すべきメジャー第1号が生まれたのは、レッドソックスの本拠地フェンウェイパークでした。球場名物のグリーンモンスターを越える特大の1発。
「フェンウェイパークはレフトが短いです。その分、高いフェンスがあり、これが通称『グリーンモンスター』で高さ11.3メートルとあります。なかなか越えないと言われているところを流し打ちで越えた。これで吉田選手のパワーを皆に見せつけましたし、本人も自信がついたと思います」
「高めのストレートだったんですけど、日本人野手の方が今まで苦労してたっていうのは聞いていたので、その高めのストレートをしっかり自分の中で打ち返せたっていうのは自信にもなりました。それがグリーンモンスターを越えたっていうのは、自分の中でもインパクトのある1本だったかなと思います」
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■5月にはヌートバー初対決 6月は15本塁打■5月にはヌートバー初対決 6月は15本塁打
5月4日には侍ジャパンのチームメート、カージナルスのヌートバー選手(26)と初対決、ここもピッチャー・大谷選手が圧倒します。
第1打席はスイーパー、第2打席はスプリット、第3打席はストレートと、3打席連続の空振り三振でした。
「誰もが二刀流としての活躍を見たがっているし、彼の活躍は人間離れしていたね」
6月に入ると、バッター・大谷選手が絶好調でした。量産体制に入り、15本のアーチ。月間MVPも獲得します。
■鈴木誠也 右打者のHR最多記録を更新
6月のカブス戦の試合前には、同学年の鈴木誠也選手(29)とメジャー初顔合わせとなったのですが…。
「野球のことは教えてくれないんですけど。なんなんですかね。打撃教えてって言って、全然教えてくれないので、『ケチ谷』と呼んでいます」
一方、「ケチ谷」と言われた本人は次のように話しました。
「初めて聞きました。僕も教えられるようなバッティングをしていないので、お互い頑張りたい」
来シーズンは同じリーグということで、仲良し2人の舌戦もますます増えそうです。
鈴木選手は今シーズン、日本人メジャーリーガーでは松井秀喜さん、大谷選手に次ぐ3人目となるシーズン20本のホームランを放ち、右打者の最多記録を更新しました。
「20本塁打は右バッターでも初めてだというのは聞いていたので、そこが一番かなと。20号は自分の持ち味というか、外のカットボールだったんですけど、しっかりいいタイミングでレフト方向に打てたっていうのが一番僕の中でアウトコースも左中間方向に引っ張れている時は状態がいい時なので、あのボールをレフト方向に打てたっていうのは少し自信になりました」
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■地元放送局リポーターが選ぶ“最も印象的な試合”■地元放送局リポーターが選ぶ“最も印象的な試合”
続いてはエンゼルスのリポーターとして、大谷選手のプレーを見てきたエリカ・ウエストンさんが選ぶ最も印象的な試合です。
「もう2度と起きないと思うし、もし起きるとすれば、彼にしかできないと思う」
それは二刀流・大谷伝説として今後も語り継がれるであろう7月28日のタイガース戦です。
大谷選手はダブルヘッダー第1試合でメジャー初完封。およそ45分後に行われた第2試合では、2打席連続ホームランを放ちます。
「その日、目の前で見たことは野球史上最高のパフォーマンスだった」
この驚異的な活躍で、日本人選手の最多を更新する通算7度目の週間MVPを受賞しました。
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■千賀滉大は200奪三振 メジャー1年目 日本人で4人目■千賀滉大は200奪三振 メジャー1年目 日本人で4人目
そして8月26日にはメッツ・千賀滉大投手(30)と6年ぶりの対決となりました。
今シーズン1回だけの対戦でしたが、千賀投手はその姿に衝撃を受けたといいます。
「まじフィジカルモンスターでした。それを感じましたね、戦う前にもう」
「近くで見たらめちゃゴツいよな。もうこんなんで、すげぇよな大谷」
「すごいですね」
カウント1ボール2ストライクからの4球目、わずかにタイミングをずらされるも、打球はライトへ。2ベースヒットを放ちます。
全打席出塁と大谷選手に軍配が上がりました。2人の勝負、もっと見たいですよね。
「そうですね、来シーズンは見れるんじゃないですか!千賀投手もやられてばかりというわけにはいかないですからね。今年は本当に良いピッチングをしただけに大谷選手も抑えたいと思っていると思います。楽しみです」
そして、千賀投手はメジャー初挑戦で2桁勝利、防御率はリーグ2位(2.98)。200奪三振超えは日本人選手で4人目の快挙となりました。
来年6月、ロンドンで行われるフィリーズ戦の広告でチームの顔に起用されるなど、大きな期待がかかっています。
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■異次元の輝きを放った大谷 常勝軍団ドジャースへ!■異次元の輝きを放った大谷 常勝軍団ドジャースへ!
今シーズンも多くの日本人メジャーリーガーたちが奮闘するなか、一人、異次元の輝きを放った大谷選手。
44本のホームランで日本人初のホームラン王を獲得し、投げては2年連続の2桁勝利、歴史を塗り替え続ける男は、史上初となる2度目の満票MVPとなりました。
「日本で技術作ってあんなに背が高くて筋力つけたら、大谷みたいな“バケモノ”ができるんだなと思いますよね」
「彼は地球上最高の選手」
そして次なるステージに進むべく、常勝軍団ドジャースへ!新天地で目指すもの、それは渇望して止まないあの舞台です。
「もちろんワールドシリーズで勝つこと。僕自身ポストシーズンには行ったことない。まずレギュラーシーズン、そこを目指したい。その先にワールドシリーズで勝つことを目標にしたい」
今、私たちが生きているこの時代に生まれた大谷翔平選手というスーパースター。新たな伝説を、我々は目撃することになります。
(12月24日放送「サンデーLIVE!!」より)