中日・根尾昂選手 投手転向3年目…進化を遂げ初勝利へ 憧れの松坂大輔さんが聞く

報道ステーション

[2024/03/13 19:19]

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高校時代に甲子園春夏連覇を達成した中日・根尾昂選手は、野手から投手へと異例の転向を遂げました。勝負の年となる23歳。進化が止まりません。

■赤いグローブ…松坂さんに憧れる根尾選手

根尾選手
「赤いグローブを使っているのは、松坂さんの影響。松坂モデルのグラブを9歳の時に買ってもらった。ずっと真似ていました。『投げれるかな?』と思って。僕がピッチャーになる頃には、松坂さんは解説者になられて、『ピッチャーの話を聞けずに終わった…』」

幼い頃から松坂さんに憧れを抱く、中日・根尾昂選手。高校時代は二刀流で名を馳せ、鳴り物入りで入団。しかし、野手に専念したプロの世界では期待通りの成績が残せず、おととしのシーズン途中にピッチャー転向を決断したのです。

松坂さん
「野手としてプロに入って、またピッチャーに再転向。僕はブランクを感じなかった。自分で感じた課題はなんですか?」
根尾選手
「昨季、2試合1軍で投げて、最後の最後に粘り切れないところや、投げ切るところまで目標だったので、達成できず悔しかった

■投球の幅を広げるため…遅いカーブ習得へ

それは、去年9月、初登板となった広島戦で6回まで無失点ピッチングを続けていましたが、フォアボールを与え、ピンチを広げたところで降板。自らの手で勝利をつかみ取ることができませんでした。

なぜ、あと少しのところで粘り切れないのか。根尾選手はその原因を「自身の球種にある」と分析します。

根尾選手
「変化球の球速が速い。ストレートとあまり変わらない」

根尾選手のメインの球種はストレートに加え、スライダー、フォークの3つです。この3球種だけでは球速に大きな差がないため、バッターは対応しやすいのだといいます。そこで、投球の幅を広げるために取り組んでいるのが、球速の遅いカーブの習得です。

根尾選手
「去年まで投げていた感覚もあるけど、全く違うボールの感覚で握りから全部取り組んで。打者の邪魔になるような球種にできたら、長いイニング投げていくうえで有効。他の球種がダメだから取り組んでいるのではなく、さらに他の球種が生きるような球種にしたい」

特訓中のカーブを試す機会となった2月17日に行われた今年最初の対外試合・DeNA戦で、根尾選手はストレートで速いボールを意識させた後、遅いカーブで相手に自分のスイングをさせませんでした。

松坂さん
「1回のセカンドゴロもタイミングを崩せている。ストレート・スライダー・フォークにカーブはいいアクセントになると思う。いいボールだったと思う

松坂さんにカーブを褒められ、「うれしい」とキラキラと輝く表情はまるで野球少年のようです。

■憧れの松坂さんに聞きたかったスライダー

そして、話は根尾選手が憧れの松坂さんに最も聞きたかった、あの球種について話が及びました。

根尾選手
「右打者への2ストライクからのスライダーが、曲がりが速いのか、いいところに決まっているのに、簡単に見送られることが多くて。狙い目を変えた方がいいのか、ベースにワンバウンドするくらいの方が食いついてくれる」
松坂さん
「意外と真ん中低めのスライダーは振ってくれる。真ん中から外のボールになるような変化球は、見送られているイメージ」
根尾選手
「いいところなのに、『あれ?』って」
松坂さん
「僕も1年目、プロの反応に戸惑った。『あんなところに投げたのに振ってくれないよ…』。当時、キャッチャーの中嶋聡さん(現・オリックス監督)から『いいところに投げるより、真ん中低めの方が絶対振る』と言われた。その方が気が楽になった。『真ん中からアウトコースのいいところは結構シビアになってくるので、それよりも真ん中低めに落とした方がいい』と中嶋さんからの助言で投げやすくなった」
根尾選手
「練習します」

■中日“強力ローテーション“に割って入るか?

この対談後、根尾選手はオープン戦で最多奪三振の活躍。松坂さん直伝のスライダーもいい感じです。

根尾選手
「どうしても勝ちたい気持ちがあって、まず1勝、シーズン始まってすぐ絶対取りに行きたい。目標は1年間、1軍のローテーションに割り込んでいけるよう、1軍で投げ続けるのが今の目標」
松坂さん
「中日の先発陣は強力だけど、ぜひ割って入って。楽しみにしています」
根尾選手
「絶対割って入ります」

(「報道ステーション」2024年3月12日放送分より)

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