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2025年3月17日 13:01

メジャーリーガーが日本でプレー〜これまでのMLB日本開幕戦を振り返る〜

2025年3月17日 13:01

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いよいよ18、19日に東京ドームで行われるMLB東京シリーズ「シカゴ・カブス対ロサンゼルス・ドジャース」

MLBの公式戦が日本で行わるのは6年ぶり6回目の開催となり、今回は昨シーズンワールドシリーズを制したドジャースとカブスが対戦する。
ドジャースには大谷翔平選手(30歳)と山本由伸投手(26歳)、そして新加入した佐々木朗希投手(23歳)、カブスには鈴木誠也選手(30歳)と今永昇太投手(31歳)が所属し、日本人メジャーリーガー5人が出場予定だ。

過去のMLB日本開幕戦でも、日本人メジャーリーガーが出場し盛り上げてきた。
これまでに5回開催されたMLB日本開幕戦を振り返る。

■2000年 初のMLB日本開幕戦 サミー・ソーサ選手などメジャーリーガーが来日

2000年MLB開幕シリーズ第2戦でMVPに輝いたアグバヤニ選手
2000年MLB開幕シリーズ第2戦でMVPに輝いたアグバヤニ選手

記念すべき初開催は2000年3月に東京ドームで「メッツ対カブス」が行われた。

かつてロッテで監督を務めたボビー・バレンタイン監督が率いるメッツは、野茂英雄投手とバッテリーを組んだマイク・ピアッツァ選手などが所属し、対するカブスは歴代9位の通算609本塁打を持つサミー・ソーサ選手らが来日して注目を集めた。

連日満員となった東京ドームは、第1戦で8回にピアッツァ選手の2ランホームランが出るも、終始リードしたカブスが勝利を収めた。

第2戦は投手戦で延長戦に突入し、11回に2アウト満塁の場面で代打ベニー・アグバヤニ選手がバックスクリーンに決勝グランドスラムを叩き込んでメッツがリベンジを果たした。

■“ゴジラ”が東京に帰還 松井秀喜選手が凱旋ホームラン

2004年MLB開幕戦でホームランを放つ松井秀喜選手
2004年MLB開幕戦でホームランを放つ松井秀喜選手

2004年3月に2回目のMLB日本開幕戦が行われた。
2003年にワールドシリーズに進出したヤンキースとデビルレイズ(現レイズ)が来日し、松井秀喜選手はMLB日本開幕戦に初めて出場した日本人選手となった。

第1戦は松井選手は初打席で右中間への二塁打を放ったが、チームは3対8で敗れた。

しかし、第2戦はヤンキース打線が爆発し、12対1で大勝した。
松井選手は3回2アウト1、2塁から同点タイムリーヒットを放つと、2点リードの5回1アウト1塁の場面で右中間スタンドに推定飛距離130メートルの特大アーチを叩き込んで、“ゴジラ”のホームランを待ち望んだファンの期待に応えた。

■“平成の怪物”松坂大輔投手が凱旋登板 WS王者が初来日

2008年MLB開幕戦に先発した松坂大輔投手
2008年MLB開幕戦に先発した松坂大輔投手

2008年3月に行われた3回目のMLB日本開幕戦は昨シーズン、ワールドチャンピオンに輝いたレッドソックスとアスレチックスとの試合が行われ史上初、昨年のWS王者の来日が実現した。

メジャー1年目で世界一に貢献した“平成の怪物”松坂大輔投手と岡島秀樹投手の凱旋登板も注目を集めた。

第1戦では、2年目の松坂投手が開幕投手に抜擢された。
日本人投手が開幕投手に選ばれるのは野茂英雄投手に次ぐ2人目だが、日本開幕戦では初の投手となった。

松坂投手は5回2失点でマウンドを降りたが、6回にチームが逆転に成功する。
4対4で迎えた9回裏は岡島が無安打無失点で抑えると、10回表にマニー・ラミレス選手が2点タイムリー二塁打を放ちレッドソックスが勝ち越す。
岡島投手が日本開幕戦初の勝利投手となった。

第2戦はアスレチックスも意地を見せ、5対1で勝利し、対戦成績は1勝1敗であった。

■フラッシュの嵐の中イチロー選手が4安打の活躍

2012年MLB開幕戦で打席に入るイチロー選手
2012年MLB開幕戦で打席に入るイチロー選手

2012年3月、4回目となったMLB日本開幕戦が行われ、メジャー12年目のイチロー選手や新加入した岩隈久志投手、川崎宗則選手が来日した。

マリナーズは、2003年にアスレチックスと日本開幕戦が予定されていたが、イラク情勢緊迫の影響で開催1週間前に中止となり9年越しの来日となった。

第1戦ではイチロー選手は馴染みのある1番ではなく3番で出場した。
第一打席にフルカウントから6球目を捉えて内野安打で出塁。
その後も2打席連続でヒットを放ち、延長11回の第5打席ではタイムリーヒットも記録した。
開幕戦でいきなり4安打と存在感を放っていた。
マリナーズは、先発したヘルナンデス投手が8回1失点の好投を見せて開幕戦に勝利した。

第2戦、イチロー選手は4打数ノーヒットに終わり、試合もアスレチックスが逆転2ランホームランで勝利した。
また、岩隈投手と川崎選手は開幕シリーズでの出場はなかった。

■「後悔などあろうはずがありません」世界の安打製造機が現役引退

2019年MLB開幕戦後、ファンの声援に応えるイチロー選手
2019年MLB開幕戦後、ファンの声援に応えるイチロー選手

2019年3月、5回目となるMLB日本開幕戦が行われ、イチロー選手と菊池雄星投手が所属するマリナーズとアスレチックスが来日した。

3月20日に東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズ第1戦。
マリナーズのイチロー選手は「9番・ライト」で先発出場し、1打数ノーヒット1四球。
4回裏、イニングが始まる前に交代が告げられベンチへ下がった。
試合は5本のホームランが飛び出す空中戦となり、マリナーズが9対7で2019年シーズンの初戦を白星で飾った。

翌日の21日に行われた第2戦。
この試合がイチロー選手にとって現役引退試合となった。
イチロー選手は8回表の第4打席、チャンスの場面で凡退し、その裏にライトの守備についた。
しかし、ここでイチロー選手は交代を告げられ、大歓声に包まれながらライトのポジションから自軍のベンチに戻った。

試合終了後には「イチロー」コールに応えるように再びグラウンドに登場し、東京ドームにとどまっていた多くのファンの歓声に応えた。

また、試合後の引退会見でイチロー選手は「今日の球場での出来事、あんなもの見せられたら後悔などあろうはずがありません」と語った。

日米通算4367安打を記録し、今年1月に日本プロ野球とアメリカ野球殿堂入りを果たしたレジェンドの最後の姿は、MLB日本開幕戦の歴史の中で最も印象に残るハイライトかもしれない。

■日本人最多5人がMLB日本開幕戦に出場予定

2025年MLB東京シリーズ プレシーズンゲームでHRを放つ大谷翔平選手
2025年MLB東京シリーズ プレシーズンゲームでHRを放つ大谷翔平選手

今回で6回目となるMLB日本開幕戦は3月18、19日に東京ドームで行われる。

第1戦の開幕投手はメジャー2年目の今永昇太投手、対するドジャースも同じくメジャー2年目の山本由伸投手が務める予定だ。
今永投手か山本投手が勝利すれば、MLB日本開幕戦で日本人の先発初勝利となる。

第2戦のドジャースの先発は、ロッテからポスティングシステムで今シーズン加入した佐々木朗希投手が登板予定だ。

打者に目を向ければ、昨シーズンMLB史上初の「50本塁打-50盗塁」を達成し、打撃主要タイトル二冠を獲得したドジャースの大谷翔平選手や右打者で日本人初の3年連続2桁ホームランを達成したカブスの鈴木誠也選手も出場し、日本人メジャーリーガー5人が出場予定だ。
MLB日本開幕戦の歴史に新たな1ページが記されるのが楽しみだ。

  • 2000年MLB開幕シリーズ第2戦でMVPに輝いたアグバヤニ選手
  • 2004年MLB開幕戦でホームランを放つ松井秀喜選手
  • 2008年MLB開幕戦に先発した松坂大輔投手
  • 2012年MLB開幕戦で打席に入るイチロー選手
  • 2019年MLB開幕戦後、ファンの声援に応えるイチロー選手
  • 2025年MLB東京シリーズ プレシーズンゲームでHRを放つ大谷翔平選手