【全日本大学駅伝】2年連続3冠へ!王者・駒澤「圧倒的勝利」で伊勢路へ!
[2023/10/29 20:42]
今年の全日本大学駅伝で優勝候補に真っ先に挙がるのが駒澤大学でしょう。
昨年度は、出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝を制し、史上5校目の学生駅伝三冠を成し遂げました。全日本大学駅伝は現在3連覇中。初優勝した第30回大会(1998年)から前回大会までの25年間で優勝回数は15回と、驚くべき優勝率を誇ります。
今回優勝すれば、第4回から7回の大東文化大学、第24回から27回の早稲田大学、そして、第43から46回の駒澤大学に並ぶ、連勝記録タイの4連覇となります。
昨年度までは、世界選手権に2大会連続で出場中の田澤廉選手(現・トヨタ自動車)がチームの主軸として活躍していました。
「去年の田澤さんの役割を僕自身が担うっていう気持ちは、ずっと持っているんですけど、現実的に自分だけじゃ背負いきれない部分があります」
大エースの抜けた穴がいかに大きいかは、主将の鈴木芽吹選手(4年)も認めます。
とはいえ、鈴木選手自身、10000mで日本人学生歴代3位、現役では最速となる27分41秒68の記録を持っています。
さらに、3年の篠原倖太朗選手は、ハーフマラソンの日本人学生最高記録(日本歴代4位)保持者であり、10000mでも鈴木選手に次ぐ日本人学生歴代4位のタイムをマークしています。
また、2年の佐藤圭汰選手は、アジア大会の5000mで日の丸を付け、6位入賞を果たしました。
この3人は、現在も大八木弘明総監督の指導を受け、田澤選手とも練習を共にしています。学生長距離界を代表する3選手の存在は他校にとって大きな脅威でしょう。
「篠原と圭汰と協力して、田澤さんの穴を埋めるだけでなく、それ以上のものを3人で出していこうと、常に話をしています」
鈴木選手がこう話すように、1人では難しくても、3人そろえば、大エースが抜けた穴を繕うことは十分に可能。実際に、出雲駅伝では3人そろって区間賞に輝き、チームは大会新記録を樹立して圧勝しました。
「区間にもよりますけど、区間新記録を目指していきたい」と篠原選手はエースの自覚が十分。佐藤選手も「昨年と比べて長い距離の練習を余裕をもってできていますし、スピードを上げても、かなり余裕を持って練習できる。体調不良やケガなく調整できれば、区間記録は超えられると思います」と自信を口にします。
その他にも、前回4区区間賞の山川拓馬選手(2年)は、10月の出雲駅伝で、各校のエース級が集う3区で留学生と互角の走りを見せ、日本人トップの区間3位と好走。三本柱に次ぐ存在へと成長を遂げています。
また、全日本には4年生が6人もエントリーされました。最上級生の堅実な走りが勝利の鍵となるでしょう。
「見ている方は接戦のほうが面白いかもしれないですけど、圧倒的な差で勝ちにいきたいと思っています」と鈴木主将は手綱を緩めることはしません。全日本で4連覇を果たし、史上初となる2年連続の学生駅伝三冠に王手をかけるつもりです。