【全日本大学駅伝】打倒駒澤へ! 「勝つチームは青山学院」

[2023/11/03 15:47]

3

2016年度に学生駅伝三冠を果たすなど、近年、学生駅伝界を牽引してきたのが青山学院
大学でしょう。
しかし、昨年度は無冠。今年10 月の出雲駅伝も5位に終わりました。これで、学生三
大駅伝では2022年の箱根駅伝を最後に4大会連続でタイトルを逃しています。
「出雲だけじゃなくて、昨年度から少しデコボコ駅伝になっている。青山学院大学は安定
感が売りでしたが、少しデコボコがあると、今の学生三大駅伝で優勝は難しい」
 原晋監督は、優勝から遠ざかっている原因をこのように分析しています。

 しかしながら、決して力がないわけではありません。
「5000m のチーム平均タイムは45 人で14 分00 秒まで上がっています。これは、あ
る種ギネスものなんですねえ」と原監督が言うように、選手層の厚さは随一。むしろこれ
まで以上に厚みを増している印象さえあります。
「ただ、本番できちっと力を出せるかというと、これはまた違う話」とも言葉を続けます。
昨年度は4年生が主体のチームだっただけに、今季は学生駅伝経験者が7人しかおらず、
経験不足が懸念されていたのです。
「昨年度は下級生にチャンスが回ってこなかったため、“駅伝力”が備わっていない選手
が多かった」
その不安要素が出雲駅伝で露呈し、“ デコボコ駅伝” になってしまいました。
 出雲では大きな課題を突きつけられたものの、収穫もありました。学生駅伝デビュー戦
となった黒田朝日選手( 2年) の走りです。
2区で駒澤大のエース格の1人、佐藤圭汰選手( 2年) と同タイムで区間賞を分け合
い、5人を抜いて2位に押し上げる活躍を見せました。
「彼は1年生から3000m障害で活躍してきた。国際大会でも物怖じせず、先頭でレース
を引っ張る姿勢を見せていた。国内のレースでも、しっかりと“駅伝力” を発揮してくれ
た」と原監督も黒田選手の走りを高く評価しています。

出雲で好走した黒田朝日選手(2年)

 黒田選手にとっても「出雲駅伝が大学駅伝の初出走でしたが、自分の思った通りの走り
ができて、個人としては本当に満足できる結果だった」と話すように、駅伝デビュー戦は
会心のレースでした。「大学に入ってからロードレースをほとんど走ったことがなかった
ので、少し不安があった。でも、出雲が終わって駅伝でも戦えるっていう自信はつきまし
た」と自信を深めていました。
 黒田選手の父・将由さんは法政大出身で、全日本には第32 回( 2000年)から34 回
( 2002年) に3年連続で1区を務め、スターターとしての役割を見事に果たしています。
黒田選手も前半区間でチームを勢いづける走りが期待されています。
 
伊勢路と相性が抜群なのが4年生の佐藤一世選手です。
1年時に5区で区間新記録を打ち立て衝撃のデビューを飾ると、翌年も5区で2年連続
の区間賞。前回は3区2位と区間賞こそ逃しましたが、悪い流れを断ち切り、見事にレー
スを仕切り直しました。
「駅伝では安定した走りを続けられていますが、爆発力には欠けていると思う。最後は4
年生として、爆走ができたら」と、最後の全日本では爆発的な走りを誓っています。

伊勢路と相性抜群な佐藤一世選手(4年)

 主将の志貴勇斗選手( 4年)がエントリーから外れましたが、2022年の箱根駅伝で優
勝を知る太田蒼生選手( 3年) と若林宏樹選手( 3年) 、出雲駅伝4区区間賞の山内健登
選手( 4年) ら実績十分の選手が順当にエントリーされました。
「多くの大学が打倒駒澤に燃えていますが、“勝つチーム” というのは青山学院大学。
“勝てるチーム” も青山学院大学だと思います。駒澤一強と言われていますが、我々、青
山学院大学も勝負したい」
 原監督がこう宣言する通り、駒澤大学の2年連続三冠を阻止するべく、3度目の伊勢路
制覇を目標に掲げています。

第55回全日本大学駅伝|テレビ朝日

  • 全日本へ巻き返しを図る原晋監督
  •  出雲で好走した黒田朝日選手(2年)
  • 伊勢路と相性抜群な佐藤一世選手(4年)

こちらも読まれています