【全日本大学駅伝】“世界のミウラ”満を持して伊勢路ラストランへ!

[2023/11/01 15:27]

3

 3年前の全日本大学駅伝、鮮烈な伊勢路デビューを飾ったのが、当時1年生だった順天堂大学の三浦龍司選手でした。1区を任された三浦選手は、残り300メートルで爆発的なラストスパートを炸裂。区間新記録を樹立しトップで中継しました。三浦選手の好スタートで勢いに乗ったチームは14年ぶりにシード権を獲得しました。

 その後の三浦選手の活躍は、陸上ファンには説明不要でしょう。2021年には3000メートル障害の日本記録保持者となり、東京オリンピック7位入賞の快挙を成し遂げました。

 そして、今季も絶好調。

 「トラックシーズンは本調子で来て、すごく手応えを得られた上半期になりました」

 今や“世界のミウラ”。世界最高峰のダイヤモンドリーグ・パリ大会で表彰台(2位)に上がると、世界選手権ブダペスト大会では6位に入っています。

 4年生になった今年、三浦選手は自ら立候補し、駅伝主将に就任しました。

 「これまでの先輩方、特に去年の先輩方の存在が大きかった。責任あるキャプテンに就くことは自分自身にとってチャレンジ。頑張りの尺度って色々あると思うんですど、それに対して最大限理解したり、色んな方向からその人のことを見てあげたいと思っています」

 立候補した理由、そして、自身が描くキャプテン像についてこう話します。

 しかしながら、海外遠征等でチームを離れることも多いため、70年を超える順大陸上部の歴史において異例ともいえるW主将体制をとり、もう1人の駅伝主将、藤原優希選手と共にチームを牽引しています。

 超人ぶりを見せる三浦選手でも、トラックシーズンから駅伝シーズンへの切り替えは「難しい」と言います。10月の出雲駅伝は出場せずにサポートに回りました。

 しかし、三浦選手を欠いた順大は苦戦。1区から出遅れてしまい、10位でレースを終えました。「(全日本大学駅伝は)三浦をしっかり投入しないと戦えないと思う」と長門俊介駅伝監督が言うように、三浦選手は伊勢路で巻き返すためのキーマンといえそうです。

 「キャプテンとして、みんなの頼もしい先輩として、また、自分自身も納得のいく走りをしたい。それに、悔いを残さないことも大事ですけど、結果にもこだわっていきたいと思います」

 三浦選手自身、チームの大黒柱として伊勢路での快走を誓っています。

 前回4位のメンバーのうち5人が卒業し、今季は戦力ダウンも懸念されましたが、頼もしいルーキーが加わりました。5000メートルの日本高校記録をもつ吉岡大翔選手です。

 「タフさというか、走りの中での粘り強さ、執着みたいなのをものすごく持っている」と三浦選手も高く評価。9月の日本インカレでは5000メートルで日本人トップの4位に入るなど、大学生になっても活躍を続けています。

 しかし、学生駅伝デビュー戦となった出雲駅伝では、レース中に腹痛(差し込み)に見舞われ、1区11位とほろ苦い結果に終わりました。

 「出雲では2区以降の先輩方に助けられたので、全日本では良い走りをするのはもちろんですが、それ以上に、助けていただいた分の恩返しをしたい」

 出雲駅伝での失敗を取り戻し、チームの力となる覚悟を持って伊勢路に臨みます。

日本高校記録を持つ期待のルーキー吉岡大翔選手(1年)

 7大会連続28回目の出場となる順大は、前回まで3大会連続でシード権を獲得中。連続シード権はもちろん、2大会ぶりの表彰台を狙います。

第55回全日本大学駅伝|テレビ朝日
  • 6月に日本記録更新した三浦龍司選手(4年)
  • 日本高校記録を持つ期待のルーキー吉岡大翔選手(1年)

こちらも読まれています