【全日本大学駅伝】前回大会2位の國學院大學!誇れる層の厚さで『てっぺん』へ!

[2023/10/29 20:44]

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 近年、学生駅伝ですっかり上位争いの常連となっているのが國學院大學です。全日本大学駅伝には、9大会連続11回目の出場となります。
前回は1区で17位と大きく出遅れながらも2区以降で見事な巻き返しを見せて、大学史上最高順位の2位に入りました。
「本当は満足しちゃいけないと思うんですけど、1人1人が順位を上げていっての2位だったので、終わった時は満足しました」
 エース格の1人、山本歩夢選手(3年)はこのように前回のレースを振り返ります。
しかし、優勝した駒澤大学とは3分21秒もの大差を付けられており、「圧倒的にやられてしまっての2位なので、そこは喜べなかったです」と山本選手は言葉を続けました。

 今季の國學院大學は、昨年度達成できなかった学生三大駅伝(出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝)すべてで3位以内に入ることを目標に設定しました。その一方で『てっぺん』というパワーフレーズをも掲げています。つまりは、“優勝”の二文字を視野に入れてシーズンを送ってきました。
 チームの中心にいるのが伊地知賢造選手(4年)、山本選手、平林清澄選手(3年)の強力な三本柱です。

3選手とも春先はケガで出遅れたものの、夏は絶好調。山本選手は5000mで13分34秒85、平林選手は10000mで27分55秒15と、それぞれ國學院大記録をマークしました。さらに、伊地知選手は9月に日本インカレの10000mに出場し、日本人トップとなって8位入賞を果たしています。また、前回の全日本5区区間賞の青木瑠郁選手(2年)をはじめ、その他の選手にも自己記録が続出しました。
 しかし、好事魔多しとはこのこと。
「みんな、夏に積極的に練習をしてくれたんですけど、逆に疲労が出てしまって、9月はチームとして苦しみました。(駅伝シーズンは)突貫で間に合わせたんですけど…」と前田康弘監督が言うように、夏の疲労もあって、学生駅伝の開幕戦である出雲駅伝は4位に終わりました。今季の目標である“学生三大駅伝すべてで3位以内”がいきなり潰えてしまったのです。
「出雲で4番で悔しかった。“全日本ですぐに取り返そう”って、選手たちはすごい覇気を持ってやっています」(前田監督)
 出雲で味わった悔しさが、選手たちをいっそう本気にさせました。

全日本に向け手応え語る前田康弘監督

 出雲駅伝は4区6位と力を発揮できなかった山本選手は、「出雲は本当に急ピッチだったので状態は5、6割。そこからしっかり強化できたので、全日本は100%の力で走れると思います」と、全日本には万全を期して臨みます。主将の伊地知選手も「1区から8区まで、どこを任されても走れる自信はあります」と頼もしい言葉を口にしています。

 前回2位のメンバーのうち半数の4人が卒業しましたが、「層の厚さでいったら今年のほうがある」と伊地知選手が言うように、“三本柱”以外にも力のある選手がそろいます。
また、2年生が5人、1年生が4人と、下級生が数多くエントリーされました。
 近年の伊勢路では國學院大學のルーキーの活躍が目立ちます。2年前は平林選手が、各校のエース格が集った7区で区間3位と好走。前回は青木選手が6区で区間賞を獲得し、2人を抜いて2位に浮上しチームに流れをもたらしました。
「自分が1年生の時にはできなかった練習をそつなくこなしています。将来的に楽しみな選手が多い」(伊地知選手)

チームをまとめるキャプテン伊地知賢造選手(4年)

 今回も新戦力の鮮烈なデビューがあるかもしれません。
「このままコンディショニングをミスなくこなし本番を迎えられれば、面白い駅伝になるんじゃないかな」
 指揮官も手応えを口にします。
前々回は4位、前回は2位と、全日本大学駅伝で2年連続で過去最高順位を更新中。残すは「てっぺん」しかありません。

第55回全日本大学駅伝|テレビ朝日
  • 國學院の3本柱(平林2年、伊地知4年、山本3年)
  • 全日本に向け手応え語る前田康弘監督
  • チームをまとめるキャプテン伊地知賢造選手(4年)

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