「熱盛グランプリ2023」パ・リーグ編…リーグ3連覇で起きた“出来事”に「体が反応」

[2023/11/09 16:53]

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各球団100人、総勢1200人のプロ野球ファンに、今シーズン一番“熱く盛り上がったシーン”を選んでもらいました。「熱盛グランプリ2023」パ・リーグ編です。

■本拠地でリーグ3連覇…その時起きた“ある出来事”

まずは、オリックス・バファローズです。

山本由伸投手の2年連続ノーヒットノーランの大偉業を抑え、1位になったのは、ファンが待ち望んだ本拠地でのリーグ3連覇でした。

ファン:「ようやく、この目で見れるよろこび」「感無量です」「優勝が決まった瞬間」

9月20日、優勝マジック「2」で迎えた、2位の千葉ロッテマリーンズとの直接対決。2点を追う7回、オリックスが集中打で一挙6得点と逆転します。そして、前身の阪急ブレーブス以来となる46年ぶりのリーグ3連覇を果たしました。

優勝が決まった瞬間は、もちろん“熱盛”…なのですが、ファンはこの時に生まれた「もう一つの熱盛」に注目していました。

優勝が決まった瞬間、山崎投手は喜びを爆発させ、グローブを天高く投げました。歓喜の瞬間を迎えた選手たちがマウンドに駆け寄るなか、セカンドの安達了一選手が、落下する山崎投手のグローブをダイレクトキャッチしていたのです。

ファン:「ナイスキャッチです」「さすが名手」

この時の気持ちを、安達選手に聞いてきました。

安達選手:「あ!飛んできた。捕るしかないって思って、体が反応しました。ラグビーボール捕った感覚で、野球の感覚ではなかった。(来季も)渋いプレーを見せられるように頑張ります」

■球団50年ぶり…代打9回2アウトで…

千葉ロッテマリーンズ

続いては、千葉ロッテマリーンズ。2位と大差をつけ、約半数の票を獲得したのは、球団50年ぶりの快挙が生まれた「ベテランの一振り」です。

7月24日の福岡ソフトバンクホークスの戦、1点を追う9回2アウトの場面で、代打で打席に立ったのは、角中勝也選手。

ファン:「『諦めんなよ!』と念を送っていた」

その“念”が通じたのでしょうか、角中選手は球団50年ぶりとなる代打逆転サヨナラホームランを放ちました。

ファン:「全外野が泣きました」「諦めずに応援しようと思ったら本当に打ってくれて、すごくうれしかったです」

■中村剛也選手…球団記録続々

埼玉西武ライオンズ

埼玉西武ライオンズは、“初”の記録だらけ。選ばれたのは、今年40歳になった中村剛也選手です。

ファン:「パパ。お父さん的な」「ちょっと、おもしろい」

中村選手の代名詞は、1試合に2本のホームランを放つ“おかわり弾”です。

ファンに愛され、ファンを愛する球団一筋22年の中村選手。今シーズン、いくつも球団記録を塗り替えました。

球団史上最年長サヨナラ打に、球団初となる40代で“おかわり弾”。そして、球団最多得点記録も更新しました。

ファン:「40代以上、すべての人の希望」「ずっとずっと大好きな屋台骨」

来シーズンも、“おかわり弾”楽しみです。

■苦しんだ男…執念の一発で劇的勝利

福岡ソフトバンクホークス

福岡ソフトバンクホークスの1位は、侍戦士でも、ノーヒッターでもありません…。

ファン:「人生イチ、よろこびました」

クライマックスシリーズ進出がかかる、シーズン終盤の劇的勝利です。

9月30日、北海道日本ハムファイターズ戦。9回、1点を追うソフトバンクは柳田悠岐選手のソロホームランで同点に追い付きます。

負けられない一戦。打席には、中村晃選手。実は、この2週間前、中村選手は体調不良でチームを離脱。復帰後、19打席ノーヒットと苦しんでいたのです。

中村選手:「なんとか勝ちたいという思いだけで、打席に立ちました」

そんな中村選手が放ったサヨナラホームラン。

ファン:「もう、待ちに待ってました」「ここ一番でやってくれる男」

ファンからも「ここ一番でやってくれる」という話がありましたが、中村選手が今シーズン放った5本のホームランは、逆転2ラン、同点2ラン、先頭打者弾、逆転3ラン、サヨナラとすべて価値あるホームランばかり。鷹の打撃職人、熟練の技が光ります。

■仲間を救った…“劇的一打”

東北楽天ゴールデンイーグルス

続いては、東北楽天ゴールデンイーグルス。逆転勝利数はリーグトップです。選ばれたのも、6月8日の阪神タイガースとの交流戦。土壇場で生まれたドラマでした。

ファン:「いろんな試合を見ましたけど、泣いたのはあの試合だけ」「コブちゃんありがとーって!」

1点を追う9回、小深田選手が、逆転サヨナラ3ランホームランを放ちました。

歓喜の輪の中で、1人涙を流す選手がいました。小郷裕哉選手です。

実はこの試合、楽天リードの8回。ライトを守る小郷選手が痛恨の落球。このミスをきっかけに逆転を許していたのです。

そんななか生まれた、サヨナラホームラン、ファンは、次のように話します。

ファン:「ミスをカバーしてくれて、かっこいい」「みんなが励ます。2023年一番良いことが起こった」

小郷選手はこの試合を、次のように振り返ります。

小郷選手:「コブさんは僕の人生を変えてくれた方なので。たくさん稼いで、コブさんの老後、支援できるように」

小深田選手:「支援されないように、僕も頑張りたいと思います」

仲間を救った劇的な一打でした。

■「ロマン砲」…パ・リーグ史上初の快挙

北海道日本ハムファイターズ

最後は、北海道日本ハムファイターズ。新球場、エスコンフィールドでのシーンがファンに刺さりました。

ファン:「ちょっと、引くくらいのすごさを見ました」「ロマンがあります」「ロマンチュウです」

ファンが「ロマンチュウ」と呼ぶ、プロ5年目の万波中正選手。今シーズンはキャリアハイとなる25本のホームランを記録。侍ジャパンにも初選出されました。

万波選手:「本当に、忘れられない一試合」

ファンも本人も忘れられない日となったのが、9月16日の福岡ソフトバンクホークス戦です。

先頭打者で迎えた第1打席で、プロ初の先頭打者ホームランを放ちます。さらに、同点の9回、再び万波選手の打順で、プロ初のサヨナラホームラン。なんと、同じ試合で先頭打者ホームランとサヨナラホームランを放つのは、パ・リーグ史上初の快挙です。

ファン:「打ちそうな雰囲気というか」「何か、やってくれるんじゃないかなと思って」

万波選手:「思い描いたスイングができた。すべてが上手くかみ合った1打席だったなって思いますし、めちゃめちゃうれしいですね」

ファンは万波選手のホームランをロマン砲と呼びますが…。

万波選手:「ロマン砲って。若手の人に使う表現な気がするので、早いとこ卒業できるように頑張ります」

(「報道ステーション」2023年11月8日放送分より)

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