侍ジャパン・万波中正 今季HR25本…豪快さ生かす“繊細な打撃改革” 松坂大輔が聞く

[2023/11/10 19:04]

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来週から始まる「アジアプロ野球チャンピオンシップ」に向け、合宿中の侍ジャパン。9日は合宿唯一の休養日ですが、一部選手は休み返上でおよそ1時間、軽めの調整を行いました。

10日は井端ジャパン初の対外試合、巨人と練習試合を行います。その侍ジャパンのスタメンが発表されました。

松坂大輔さんが特に注目した選手の1人が、6番の日本ハム・万波中正選手(23)です。今シーズン、ブレークした秘密に松坂さんが迫りました。

■明らかに苦手としていたコース「高め」

侍ジャパン合宿初日、豪快なバッティングを見せつけたのは、万波選手です。

持ち味のパワーで今シーズン放ったホームランは25本。リーグトップまであと1本と迫る、活躍を見せました。松坂さんと万波選手は共に横浜高校OBですが…。

万波選手:「緊張します」
松坂さん:「嘘つけ!」

松坂さん:「まずは、シーズンお疲れ様でした。今シーズンを終えて手応えは?」
万波選手:「間違いなく、個人的には成長できた1年だったと思います。2022年の悔しい結果が、今年の変化につながったと思います」

プロ3年目の去年は、1軍での出場は増えたものの、結果の出ない日々に苦しんでいました。なぜ、打撃不振に陥っていたのか。あるデータがその理由を物語っています。

去年の高さ別の打率成績を見ると、明らかに苦手としているのが「高め」のコースでした。

万波選手:「全部感覚でやっていたのをデータを見て、ちゃんと自分の弱点を知る。このままじゃダメだと」
松坂さん:「(高めの球を打つために)どこを改善しなければいけないと思いました?」
万波選手:「バッティングフォームの変更。バットが下から出ないように」
松坂さん:「下がってしまう癖があった?」
万波選手:「そうですね、かなり下がってしまう癖があったので」

■ボール2つ使うティーバッティング 意図は?

去年までの万波選手は高めのボールに対し、右肩が下がり、バットが下から出ていました。すると、自分のイメージよりもボールの下をこすってしまい、捉えきれず凡打に…。持ち味のパワーを生かせずにいました。

その癖を直すべく、オフシーズンに取り組んだトレーニングがありました。それが、ボールを2つ使ったティーバッティングです。一体、どんな意図があるのでしょうか?

万波選手:「上からという意識ではないんですけど、なるべくフラットに高めを振れるように。とにかくこの高さの真っすぐがスイングの基準になる意識で、(ボールを)2つ置いて、ほぼずっとそれで打ってます」

通常の位置の手前に置いた、もう一つのティー。高さを低くしています。手前のボールに当たらないように、真っすぐとバットを振る練習です。

松坂さん:「続けることで、下から振る癖は矯正されましたか?」

万波選手:「明らかに変わりました。毎日、欠かさず練習はやっていました」

■豪快さ生かす…“繊細な”バッティング改革

10センチほどの微々たる調整。豪快さが持ち味の万波選手が励んでいたのは、繊細なバッティング改革でした。

手応えを特に感じたという試合が、9月のソフトバンク戦。1打サヨナラという大事な場面、練習の成果が実を結びました。153キロ高めのボールに対し、下からでなく真っすぐ当てることで、特大のホームランにつなげていたのです。

万波選手:「高い球をこすったりせず、しっかりライナーでホームラン打てました。自分が目指していた理想の一振りだったと思います」
松坂さん:「さらにブラッシュアップされていきそうですね」
万波選手:「間違いなくあると思います」

(「報道ステーション」2023年11月9日放送分より)

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