宇野昌磨 GPファイナルは「今回が一番すごい試合に」心を動かした“鍵山優真の言葉”
報道ステーション
[2023/12/06 13:18]
7日、フィギュアスケート・グランプリシリーズファイナルが中国・北京で開幕します。
グランプリファイナルに出場する宇野昌磨選手(25)は「今回が一番すごい試合になる」と話します。松岡修造さんが、その理由を聞きました。
■300点超えが4人…「誰が優勝するか分からない」
今回のグランプリファイナル、連覇がかかるのが宇野選手です。
松岡修造さん:「今回のグランプリファイナル、どんな戦いになると思いますか?」
宇野選手:「世界のトップ争いをさせていただいてるなかで、一番ハイレベルな戦いにはなるなと思っていて。(300点を超える選手)4人が、お互いを刺激し合って、やっていくのが楽しみ」
宇野選手史上最もハイレベルと称す今大会。実は、フィギュアスケートで大台と言われる300点を超える選手が、なんと4人もいるのです。
まずは、史上初めて4回転アクセルを成功させたアメリカのイリア・マリニン選手(19)
そして、今年ブレークを果たしたのが、フランスのアダム・シャオ・イムファ選手(22)。中国大会では、昨シーズンから負けなしの宇野選手に勝っています。
さらに、北京オリンピック銀メダリスト・鍵山優真選手(20)は、足首のけがから見事に復活しました。
宇野選手:「誰が優勝するか分からない」
松岡さん:「ちょっと待ってください。僕自分がアスリートだったら嫌ですよ」
宇野選手:「嫌ですね」
松岡さん:「だって、周りが超強かったらいやですよ」
宇野選手:「やってる分には、たまったもんじゃないですよね(笑)」
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■新たなモチベーション…探せずにいた今シーズン■新たなモチベーション…探せずにいた今シーズン
そんなハイレベルな戦いに、世界王者として臨む宇野選手。意外なことに、今シーズンは一度も優勝を果たしていません。
その背景にあるのが、去年から大きく変わった勢力図。背中を追い続けてきた選手たちが、次々に一線を退くなか、自身が世界一となったことが宇野選手を苦しめていました。
宇野選手:「このシーズン、モチベーションの調整が難しかったので」
松岡さん:「今までは、ネイサン・チェンさんとか羽生さんとかが、昌磨さんにとっては壁だった」
宇野選手:「超えられませんでしたけど、壁が高すぎて。僕はスケートをモチベーションでしかやってこなかった。だからこそ、いい練習・試合に臨めていた。この1年、どうしても難しくなってしまった。日々の練習は、モチベーション関係なく、同じ強度でやっていますけど。湧き出てくる熱がないと、あと一歩の身の入り方が全然違う」
新たなモチベーションを探せずにいた今シーズン。しかし、最近になって大きな変化があったというのです。
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■宇野選手「僕がやりがいになれるように頑張ります」■宇野選手「僕がやりがいになれるように頑張ります」
宇野選手:「僕にモチベーション与えてくれた存在の大きな要因の一人だった。彼のおかげで、久々に熱い気持ちが持てました」
変化が起こったのは先月のNHK杯、火をつけたのは鍵山選手です。
鍵山選手は、ショートプログラムで今シーズン世界最高得点を叩き出すなど、圧巻の演技を見せ優勝。さらに試合後、“ある言葉”が宇野選手の心を動かしたといいます。
鍵山選手:「宇野選手に追いついていきたい。宇野選手を目指して、頑張っていきたい」
どうして、この言葉が刺さったのでしょうか?
宇野選手:「憧れてくれてるのに、僕より高い存在にいたので。今の自分が恥ずかしいなって。鍵山選手に胸を張って『尊敬・憧れ』と言ってもらえる選手でいたい。モチベーションが再び出るきっかけになった。ちゃんと、大きな壁になってたいです。小さな壁だと超えたのかなみたいに思われると、せっかくやりがいをもって皆さんにもやってほしいので」
松岡さん:「すごく斬新なのが、今シーズン昌磨さんから、『戦う』って言葉が出てこなかった」
宇野選手:「おとといまで、なかったです(笑)」
松岡さん:「おととい!?鍵山選手の存在が大きかったってことですか?」
宇野選手:「自分のやってきたことを出す。それは変わらないんですけど、久々に『良いものを出したい』と思いました」
追い掛けるのではなく、追い掛けたくなる「壁」になる。新たなモチベーションで、グランプリファイナルに臨みます。
宇野選手:「前ほどのモチベーションがないことのが、にじみ出てしまっていたので。発言とかも、メディアの方は難しいだろうなって思ってたんですけど。僕がやりがいになれるように頑張ります」
(「報道ステーション」2023年12月4日放送分より)