「自信持てない」学生の大谷翔平を変えたのは…ドジャース 契約発表は“運命の日”

[2023/12/11 13:58]

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世界が興奮した大谷翔平選手と1000億円を超える超大型契約を交わした、ロサンゼルス・ドジャース。実は、「自分に自信が持てなかった」大谷選手を変えたのが、ドジャースだったことが分かりました。

■長年…大谷選手を見つめてきたドジャース

スポーツライター 佐々木亨氏:「大谷選手は中学時代、そして花巻東高校に入学した当初、まだまだ自分の力を評価していなかった」

こう話すのは、大谷選手を高校時代から追い続けるスポーツライターの佐々木さんです。

大谷選手(当時):「全国には、自分より高いレベルの選手がいる」

自信が持てずにいた大谷選手の意識を劇的に変えたのがメジャーリーグのスカウトマンでした。

佐々木氏:「スカウトが足しげく通っていた。そういう評価を聞いて、自分の中で高めるものがあった。自分がそこまで目指せる選手なんだというのはすごく実感したと思う」

メジャーのスカウトが“自分を見ている”、その事実が自信のなさを打ち消したといいます。とりわけ、今回契約に至ったドジャースは…。

佐々木氏:「ずっと注目していたというか、ずっと追いかけていたというのが一つありますね。ドジャースが大谷選手に対しての思いがすごくあったのではないかと思う」

長年、大谷を見つめ続けてきたドジャース。途方もなく大きく成長した今、ついに結ばれたのです。

一方、その発表までには紆余曲折がありました。

■FA、敏腕代理人は沈黙…水面下で交渉?

代理人のネズ・バレロ氏(右)と大谷翔平選手 写真:アフロ

日本人初のホームラン王に輝いた今シーズン。10月初旬にシーズンオフを迎えると、フリーエージェントの話題が過熱し始めます。

メジャーリーグの契約交渉は極秘裏に進められます。当初、移籍に関する具体的な情報はほとんど報じられませんでした。11月には自身2度目のMVP獲得。満票で2度受賞するのは、メジャー史上初めてのことでした。

これで大谷の価値がさらに上昇。700億円とも言われる大金を出せる球団は限られ、現地メディアはこの時点で12球団まで絞られたと報じています。

今月1日、メジャーリーグの公式サイトで公開された映像に鍵となる人物が映っていました。

インタビュー中に乱入してきた黒猫を抱えてやってきた男性。大谷の代理人、ネズ・バレロ氏です。

メディアによる移籍先の予想合戦が激しさを増すなか、バレロ氏は口を固く閉ざし続けていました。この時、すでに球団側と水面下で具体的な交渉が進められていたのでしょうか?

先週行われた、メジャーリーグのウインターミーテイングの最中に、移籍先の発表があるのではないかと報じられましたが、ここでも具体的な情報は出てきませんでした。

■“人違い”“極秘交渉漏れ”3球団に絞られる

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督 写真:AP/アフロ

なんとか情報をつかもうと奔走する現地メディア。こんな出来事もありました。

現地メディア:「トロントに向かっている」

大谷選手がブルージェイズの本拠地に向かったという情報が突然発信され、慌ててトロントを目指すスポーツ記者。しかしその1時間後、「大谷は自宅にいる」との情報が流れ、本当か嘘か、分からない状況が続きます。

結局、トロントを目指していたのは大谷ではなく、カナダの実業家が乗るプライベートジェットだったことが分かります。

それでも、移籍先の大本命としてブルージェイズが浮上しました。契約先の候補は5球団に絞られたと複数のメディアが報じ、最終的には3球団に。

大谷の移籍先を巡って、もっとも世間を騒がせたのは、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督でした。

ロバーツ監督:「僕たちはショウヘイと会って話したよ。手ごたえはあったと思う」「(Q.どこで会った?)ロサンゼルスのドジャー・スタジアムだ」

極秘交渉の中身を漏らしてしまいました。その3日後、ドジャース入りがついに大谷選手によって明かされたのです。

■栗山元監督「世界一の選手になる」

前侍ジャパン監督 栗山英樹さん 写真:つのだよしお/アフロ

大谷選手がドジャース入りを明かした現地時間の12月9日は自身にとって“特別な日”でした。

佐々木氏:「北海道日本ハムへの入団会見があった2012年12月9日ですね。大谷選手にとっては特別な日ではあったと思います。というのも“二刀流が動き出した”動き出そうとした日ですので」

大谷選手の代名詞“二刀流”の道が始まったのが、11年前の12月9日でした。

大谷選手(当時):「プロ野球で二刀流ができるとは思っていなかった。18才の僕には重い日だった」

さらに、6年前のエンゼルスの入団会見の日付も12月9日と、大谷選手の運命が動くのは12月9日という共通点があるのです。

今回のドジャース入団について、日本ハム時代に“二刀流”を後押しした当時の監督・栗山英樹さんは、次のようにコメントします。

前侍ジャパン監督 栗山英樹さん:「世界一の選手になると信じて、ファイターズから5年で旅立った翔平がメジャーリーグでの6年間でこれだけの評価を受けたということは、金額がということではなく、今回は本当にうれしかったです。新しいステージでも、野球界のためにまた何かを見せてくれることでしょう。楽しみにしています」

(「グッド!モーニング」2023年12月11日放送分より)

  • ロサンゼルス・ドジャースと契約を交わした大谷翔平選手 写真:ZUMA Press/アフロ
  • ドジャースタジアム 写真:AP/アフロ
  • 代理人のネズ・バレロ氏(右)と大谷翔平選手 写真:アフロ
  • ドジャースのデーブ・ロバーツ監督 写真:AP/アフロ
  • 前侍ジャパン監督 栗山英樹さん 写真:つのだよしお/アフロ

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