「井上康生先生より数字上」柔道・新添左季、必殺技“ケンケン内股”…秘訣は背筋力

[2024/01/29 08:37]

3

 半年後に開催されるパリオリンピックに向けて、注目選手を応援していく「エールdeパリ」。

 “エール”は英語では「Yell=応援」、フランス語では「Aile=翼」という意味の言葉。翼をつけてパリ五輪へはばたく選手たちを応援していきます。

 今回、エールを送る選手は、日本を守る現役自衛官、柔道・女子70キロ級の新添左季選手(27)です。

 去年6月、東京オリンピック金メダル・阿部きょうだいと共に、一番乗りでパリオリンピック代表に選ばれました。その素顔は、独特です。

■新添選手の“エールポイント”は…?

ヒロド歩美キャスター
「いらっしゃった時にマイクを見て、すごいニコニコされてたんですけど、どのようなことを思いましたか?」
新添選手
「たくさんマイクがあって恐縮です…フッフッフッ(笑)。カメラとかそういうのはあまり慣れてないので。考慮して頂けたらうれしいです」

 とても初々しい新添選手ですが、畳に上ると一変します。女子柔道界屈指の投げ技の使い手です。

 そんな新添選手のエールポイントは…?

新添選手
「ケンケン内股です」
ヒロドキャスター
「“ケンケン内股”は、具体的にどんな特徴が?」
新添選手
「ケンケンで追っていって仕留める」

■ケンケン内股…どんなメリットが?

 そのケンケン内股を、実際に見てみました。

ヒロドキャスター
「あぁケンケン。出た!出ました、ケンケン!すごいなぁ」
新添選手
「内股もたくさんあるんですけど、スパッとかける人と、しつこくかける人がいると思うんですが、私は後者だと思います」
ヒロドキャスター
「しつこい方!」
新添選手
「しつこい方だと思います」

 一般的に知られている内股は、スパッと一発で投げます。一方、新添選手の内股は、ケンケンでしつこく追って投げるのが特徴です。

 このケンケン内股。一体どんなメリットがあるのでしょうか?

新添選手
「基本的には内股は足を上げて、相手の足に入れて(ケンケンして投げる)って感じです。足をまず入れてから、相手の逃げる方向を感覚で追っていく。ケンケン追うごとに、相手のバランスが崩れていくので、1回で崩れなかった相手のバランスを崩していけるメリットがある」

 技を受ける相手は、どう感じるのでしょうか?

自衛隊体育学校 柔道班 今田一成副監督
「一発目で技を耐えたと思っているところに追ってくるので、非常に耐えづらい。受けるしかできないので、追われたら投げられてしまう」

 このケンケン内股の威力が証明されたのが、去年5月に開催された世界選手権。オリンピック代表のかかった大一番。ケンケン内股で決勝戦まで勝ち上がります。

 決勝でもしつこく、ケンケン。ケンケン内股で勝ち取った初優勝。まさにケンケン内股が、オリンピック代表へ導いたのです。

新添選手
「描いてた通りの勝ち方だった。すべてが出た」

■ケンケン内股の秘訣は「背筋力」

 ケンケン内股の秘訣は、こんなところにもありました。

ヒロドキャスター
「ケンケン内股の時、体勢が崩れない。何が強いんですか?」
新添選手
「背筋力じゃないですか。(背筋力計出測定の時)周りがドヨドヨしたので、『どうしたんですか?』って聞いたら、『井上康生先生より数字上だよ』って」

 新添選手にエールを!パリへ羽ばたけ!

(「報道ステーション」2024年1月26日放送分より)

こちらも読まれています